郷土料理「鶏すき」を広めたい!知名度向上へ市民団体が活動中

古賀市と周辺に伝わる「鶏すき」(九州鶏すき学会提供)

 福岡県古賀市周辺の郷土料理・鶏肉のすき焼き「鶏すき」を広めよう――。同市を拠点に活動する市民団体「九州鶏すき学会」が発足して10年が過ぎた。この間、メンバーは当初の10人から倍増。活動の幅は広がったものの、鶏を使ったほかの福岡の料理に比べ、知名度は伸び悩んでいる。「地域の歴史を感じられる料理を後世に残したい」。この思いを胸にメンバーたちは、次の10年を見据えている。

イベントで肉まん販売

 「伝統の鶏すきを肉まんにしたよ」。3月上旬、古賀市筵内(むしろうち)で開かれた「なの花祭り」に出店した学会のメンバーが威勢良く声を張り上げた。手軽に食べやすいように考案した「鶏すきまん」(1個税込み300円)は、用意した300個が約2時間で完売した。初めて食べた市立千鳥小6年の柳原結衣さん(12)は「豚の肉まんより、柔らかくておいしい」と笑顔を見せた。


なの花まつりで「鶏すきまん」を販売する学会のメンバーら


 鶏すきは鍋で鶏肉とゴボウや白菜、タマネギなど季節の野菜を砂糖としょうゆを使って煮込んだ料理。学会によると、江戸時代から古賀、宗像両市や粕屋郡周辺では養鶏が盛んで、鶏は「にわやさい」(庭で動き回る野菜)と呼ばれるほど身近な存在だった。牛肉が高価だったこともあり、鶏すきが定着したと考えられている。福岡では、がめ煮や水炊き、かしわご飯など鶏を使う料理が多いのも、この名残だという。


福岡の「第3の鍋」に!

 学会は鶏すきを盛り上げようと、地元飲食店や食品会社、旅館の経営者らが2013年12月に設立。なの花祭りに毎年出店し、自慢の味を提供してきたほか、中学校では、鶏すきに関する出前授業をしたり、大学生向けには、鶏をさばいて、鶏すきを作る体験を行ったりしてきた。一方で、これまで行政の補助金などに頼らず活動してきた。


「水炊き」「もつ鍋」に続け!(九州鶏すき学会提供)


 学会の「学長」で野菜農家の中野晃さん(72)は「知名度はまだまだだが、簡単に安く作れて地域が誇る郷土料理」とPR。古賀市職員で、学会の事務局長を務める中田学(さとし)さん(46)は「次の10年も継続して普及に努め、『水炊き』『もつ鍋』に続く福岡の第3の鍋に成長させたい。学校給食でも継続して提供できたらうれしい」と意気込んでいる。


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