水害から博多の街を守る「地下神殿」 山王雨水調整池に潜入した

いよいよ地下施設の中へ!


地下施設の内部

 2号調整池は広さ2720㎡、高さ6.4m。取材当日は気温30度を超える真夏日でしたが、階段から地下に降り立つと、冷房が効いているような、ひんやりとした感じです。日が当たらない施設内は、季節を問わず20度前後に保たれ、夏は涼しく冬は暖かいそうです。雨水が運んできたのか、施設全体にほこりが乾いた臭いが染み込んでいるような気がしました。少し傾斜がついた床面には溝があり、水が低いほうへと流れる構造になっています。


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 静かで涼しい地下施設の中を改めて見渡すと、壁面に大きな穴が口を開けています。地表の雨水を調整池へと送る排水管で、口径 2.4mと大人が手を伸ばしても上に届きません。


雨水を送る排水管

 柱には目盛りがありました。過去に記録した水位と日付が分かり、2009年7月24日の大雨では天井に迫る約5mに達したことが記されています。ここに貯めた水は、頃合いをみて御笠川へと流します。調整池南側の排水ポンプは毎分9.5㎥の排水能力があるのだそうです。


天井付近までたまった雨水の記録


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