「全国高校生川柳」で筑紫高1年の山村さんが大賞

 福岡大(福岡市)が開催する「第18回全国高校生川柳コンクール」の審査結果が発表され、大賞(福岡大学長賞)に福岡県立筑紫高(筑紫野市)の1年山村彩咲(さき)さんの作品「人や国 笑顔に勝る 言語なし」が選ばれた。ロシアによるウクライナ侵略などの世界情勢を踏まえて詠んだ句で、山村さんは「自分の言葉が伝わり、自信になった」と受賞を喜んだ。

「人や国 笑顔に勝る 言語なし」

 コンクールは、友情や勉強、部活動、夢、医療など、自由なテーマで昨年6~9月に作品を募集した。全国426校の1万3740人から作品が寄せられ、川柳の専門家や大学関係者らが審査した。

 山村さんの作品は、言語が違う国の人でも、笑顔ならわかり合い通じ合えるのではとの思いから、「笑顔になって、少しでも世界中の争いごとが減ってほしい」という願いを込めた。

 ウクライナでの戦闘を報じるテレビのニュースで、離れ離れになっていた家族が再会して泣きながら笑顔で喜んでいる様子を見て言葉が浮かんだという。「戦争は遠い出来事のように感じていたけれど、同じ年代の人が戦争の中にいる事実に衝撃を受けた」と振り返る。審査では「『笑顔』がたくさんある日常が戻ってほしいと強く思わせてくれる一句」と評価された。

「自粛」「温暖化」「節電」なども

 今回のコンクールでは、前回に続いて新型コロナウイルスに関連し「オンライン」「自粛」などを詠んだ作品が多かったほか、成人年齢が18歳に引き下げられたことや、地球温暖化、節電などをテーマにした作品もあり、社会の変化への関心の高さが感じられる内容だったという。

 大賞1作品のほか、優秀賞2作品、特別賞7作品、入賞30作品が選ばれ、福岡県内からは、3人が特別賞を受賞し、13人が入賞を果たした。県内からの特別賞受賞者と作品は次の通り。(敬称略)

■特別賞(全日本川柳協会賞)
「向日葵と 八月六日 空を見る」(明善2年 松田沓子)

■特別賞(NHK福岡放送局長賞)
「ネット社会 それでもこの目で 確かめたい」(福岡大付属大濠1年 西田康人)

■特別賞(日本旅行賞)
「笑いたい みんなで一緒に 大声で」(中間2年 松本亞己)


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