世界遺産・沖ノ島にVRで上陸 協議会と福岡大が共同開発

 福岡県宗像市の沖約60キロに位置し、渡島が禁止されている世界遺産の沖ノ島を体感できるVR(仮想現実)を、県、宗像、福津市、宗像大社でつくる「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会と福岡大が開発した。


機器を装着し、沖ノ島を見学する大学院生ら

 手がけたのは、同大工学部橋と耐震システム研究室の大隣昭作助手と、宗像市出身の大学院生東田康平さん。2021、22年に許可を得て島に上陸し、沖津宮の社殿や周辺の巨岩群の一部を地上と上空のドローンから撮影、約1400枚の画像を解析し、3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)によるVRを作製した。

 機器を装着して複数人で同じ空間に入り、詳しい人の解説を聞きながら見て回ることもできる。


3DCGで表現された沖津宮の社殿(橋と耐震システム研究室提供)

 協議会と同大の共同研究事業で、島に現存する遺物の位置が風雨や動物の影響でどう変化したかを把握する測量技術を応用。2月19日に宗像市の世界遺産ガイダンス施設「海の道むなかた館」で公開した。

 今後も同館のイベントなどで披露する予定で、大隣助手は「島に上陸し、鳥居をくぐる場面を加えたり、植生をよりリアルにしたりして、精度を上げていきたい」という。


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