水害や土砂災害の発生に備えた防災行動計画「マイ・タイムライン」について、福岡市は、パソコンやスマートフォンで個人が作成できるインターネットの特設サイトを開設した。市は作成が手軽になるツールを導入することで普及を進め、市民の防災意識をさらに高めたい考えだ。
「マイ・タイムライン」で時系列に整理
マイ・タイムラインは、居住地で想定される災害に備え、「いつ」「誰が」「何をするか」をあらかじめ時系列で整理しておく計画。2015年9月の関東・東北豪雨で逃げ遅れや避難者の孤立が相次いだことをきっかけに、各地で普及が進んだ。
市が5月8日に開設した特設サイトでは、▽自宅周辺の災害リスク▽避難場所と避難のタイミング▽非常持ち出し品▽災害の警戒レベルごとに必要な行動――といった事項を入力していくと、自分だけの計画が出来上がる。作り方を解説したアニメーション動画も合わせて公開している
市は21年から、手書きのマイ・タイムライン作成シートをウェブサイト上で公開したり、区役所などで配布したりしている。昨年度は、作成方法を説明する出前講座を公民館などで計81回行い、約3000人が参加した。
ただ、内部から「普及を進めるためには、手書き式だけでなく、もっと手軽に作れるツールが必要」との声が上がっていたという。市地域防災課の小川末男課長は「家庭で災害時を想定した話し合いをしながら、マイ・タイムラインを作ることで、物心両面の備えにつなげてほしい」と話している。