福岡県の八女、筑後、柳川の3市が観光振興などを目的に連携し、シェアサイクル事業を始めた。3市の観光案内所などに設けた駐輪場に計16台の電動アシスト付き自転車を置き、スマートフォンで利用や決済ができる。自治体をまたいだシェアサイクルは全国的にも珍しく、関係者は「訪日外国人客の利用増加も期待できる。実績が上がれば参加する自治体を増やしたい」と意気込んでいる。
広い範囲で「コギコギ」
観光地域づくり法人(DMO)のFM八女(八女市)と筑後市観光協会、柳川市観光協会が県の補助金を活用して実施。専用アプリを使ったシェアサイクル事業を展開している「COGICOGI(コギコギ)」(京都市)のサービスを利用する。
電動アシスト付き自転車の駐輪場は、八女市の「茶のくに観光案内所」と西鉄福島バス停、八女インターチェンジパークアンドライド駐車場、筑後市のJR筑後船小屋駅、柳川市観光案内所の5か所に設置。スマホにコギコギの専用アプリをダウンロードして利用する。24時間好きな時に借りて、どの駐輪場でも返却できる。
事業は八女市が公共交通機関の不便さを補うため、電動アシスト付き自転車の活用を計画。走行距離約60キロで、急な坂道も楽に上れるため、福島地区や八女中央大茶園などの観光名所をはじめ、広域の周遊にも利用できるとして筑後、柳川両市に参加を呼びかけた。
3月22日に八女市で事業の開始式があり、同市の三田村統之市長は「サイクルツーリズムで、(筑後地区の)新たな魅力発見につなげたい」と力を込めた。筑後市の西田正治市長は「九州新幹線の筑後船小屋駅を拠点に足を延ばしてほしい」、柳川市の金子健次市長は「新型コロナウイルスの影響が続いたが、観光客は戻ってきている。
コギコギの中島幹彰社長は「シェアサイクルで行動範囲を広げて楽しんでほしい」と話した。
料金は3時間800円、6時間1200円、9時間1500円で、延長料金は1時間につき300円。詳細はコギコギのホームページで確認できる。