久留米市に浸水対策の新施設 池町川の地下調整池が完成

 福岡県の久留米市街地を流れる池町川の浸水対策として、県が同市梅満町の大隈公園で整備を進めていた地下調節池が完成し、6月16日、式典が行われた。大雨時に雨水を一時的にためて川の水位上昇を抑える施設で、一般的な25メートルプール約30個分にあたる約1万トンの水を貯留することができる。

1万トンの雨水を貯留


地下調節池の内部(福岡県提供)


 池町川や同じく市街地を流れる金丸川の流域では、2018年から4年連続で広範囲にわたって浸水被害が発生。県は20年度から25年度までの計画で約220億円を投じ、2か所の地下調節池と、大雨時に池町川の水を筑後川へ流す放水路などの整備を進めている。

 大隈公園の地下調節池はコンクリート製で、縦84メートル、横82メートル、高さ2メートル。大雨時に池町川へ流れ込む水路から雨水を引き込み、一時的にためる。川の水位が下がったら戻す。


くす玉を割って地下調節池の完成を祝う関係者


 公園近くの市立鳥飼小体育館で行われた式典には、県や市、工事業者などの関係者約100人が出席。馬渡真吾・県土整備部長や原口新五市長らがくす玉を割って完成を祝った。

 終了後、原口市長は取材に「地下調節池と放水路は大きな効果を発揮すると思うが、避難の時間を稼ぐための対策と思ってほしい。市民の皆さんには、大雨時は空振りでもいいので必ず避難してほしい」と話した。


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