日産が若松にEV向け電池工場を建設へ 投資額1533億円

2025.01.23

 日産自動車は1月22日、電気自動車(EV)向けの新型電池工場を北九州市若松区の響灘地区に建設すると発表した。同市の武内和久市長は「北九州市にとって歴史的な日。長年の悲願が成就した」と喜びを語った。「稼げるまち」の実現を目指してトップセールスを繰り広げ、同市で過去最大となる1533億円の巨額投資が決まった。

知事と市長がトップセールス


新工場の立地協定を締結し、記念撮影する(左から)武内市長、坂本副社長、服部知事

 北九州市戸畑区は、日産のルーツとなった「戸畑鋳物」が創業した場所。同区のウェルとばたであった立地協定の締結式には、同社の坂本秀行副社長と服部誠太郎知事、武内市長が出席した。

 坂本副社長は「北九州で新たなプロジェクトにチャレンジできることに大きな喜びを感じる。地域社会の活性化に貢献し、持続可能な社会の発展とグリーン社会の実現に向けて取り組んでいく」と意気込みを語った。

 武内市長は、2023年10月に工場新設の情報を得た直後に横浜市の日産本社に出向いたのに続き、服部知事とも再度訪問したエピソードを披露。「市の未来を左右するチャンスと捉えた。県と市のトップ2人がツイントップセールスをする異例の展開だったこともあり、(進出決定は)大変感慨深いものだった」と振り返った。

2028年度稼働、500人の雇用創出へ

 新工場は28年度の稼働開始を目指し、約500人の雇用創出を予定。北九州市にとっては、24年、市内の転入者が転出者を上回る「転入超過」を60年ぶりに達成したことに続く「追い風」になる。武内市長は「まちの勢いをさらに大きく強くしていくために大変心強い動き」と述べた。

 服部知事は「工場新設は経済と環境の好循環を生み出す県の取り組みを前進させる。EVバッテリーの製造拠点化を図りたい」と語った。


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