芥川賞作家の西南学院大学院生・鈴木結生さんがサイン会

 小説「ゲーテはすべてを言った」で1月、芥川賞に決まった西南学院大大学院生の鈴木結生(ゆうい)さん(23)が2月10日、福岡市早良区の同大で学生や教職員向けのサイン会を行った。

在籍する西南学院大で


本を購入した人と会話をしながらサインをする鈴木さん(左)

 鈴木さんは同大4年だった2024年、林芙美子文学賞佳作を受けてデビュー。ゲーテの名言とされる言葉の原典探しを描いた2作目で、芥川賞を射止めた。

 この日は受賞作の書籍が販売され、約60人が列を作った。鈴木さんは「好きなものを詰め込んだおもちゃ箱のような作品だが、(芥川賞受賞は)自分の『好き』が誰かの『好き』につながった」とあいさつ。サイン会は初めてといい、緊張した面持ちで一人ひとりと話したり、写真撮影に応じたりしていた。

学生たちの刺激に

 外国語学部3年の学生(21)は、文学好きの祖父の分の本にもサインをもらったといい、「海外文学の授業も受けているので、あらすじを知って興味を持った。芥川賞受賞者が同じ大学にいるのはすごいこと。早く読みたい」と話していた。

 企画した田村元彦准教授は「多くの学生たちにも刺激になり、読書の大切さを改めて知ってもらう機会になったと思う」と語った。


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