『ごはん食』を楽しもう!「ご飯のお供」の専門家が福岡で活動中

ご飯のお供をこよなく愛する長船さん

記事 INDEX

  • 好きが高じて専門家に
  • コロナ禍で起業を決意
  • 念願の書籍出版が実現

 漬物や佃(つくだ)煮、ふりかけなど、全国各地にある「ご飯のお供」をこよなく愛し、その“専門家”として活動する男性が福岡市にいます。「おかわりJAPAN」代表取締役の長船邦彦さん。1月下旬には自身初の書籍を人気作家との共著で出版し、「新たな可能性が広がりそう。ご飯のお供の魅力を発信し続けたい」と意気込んでいます。

好きが高じて専門家に

 これまで試した「お供」は1500種類以上――。好きが高じて2021年10月に「ご飯のお供専門家」へ転身し、22年3月に起業しました。独立に合わせて東京から福岡市に移住し、「お供」に特化した情報サイト通販サイトなどを運営しています。


通販サイト「おうちでご飯のお供展 おかわりJAPAN商店」


 情報サイトでは、ジャンル別のおすすめ品や新商品などを紹介。「作るのは得意だけど売るのは苦手」というメーカーをサポートする通販サイトは、注文が入ると産直方式でメーカーから消費者に商品を発送します。


 大阪出身の長船さんは、幼い頃からお米好きだったそうです。「昭和な父親に『お米以外は食事ではない!パンはおやつだ』と育てられた影響が大きい」と笑います。


ご飯のお供への熱い思いを語る長船さん


 22歳で食品メーカーに就職して上京すると、デパートの物産展やアンテナショップなどを巡って全国各地の「お供」に出会い、深みにはまっていきました。


 関連情報を必死で集めますが、専門サイトなどはありません。「ならば自分で!」と、自身が思い描く”お役立ちサイト”を趣味で13年に開設し、特色や感想などを書き込んでいると徐々に存在が知られ、メディアにも取り上げられるようになりました。


ご飯のお供の情報を発信する「おかわりJAPAN」


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コロナ禍で起業を決意

 会社勤めをしながらサイトを運営していた長船さんですが、コロナ禍で転機を迎えます。巣ごもり需要でお取り寄せグルメが注目され、趣味で始めたものが仕事のように忙しくなっていきました。両立はもはや限界と考え、移住して「ご飯のお供」と生きていく覚悟を決めました。


リアル店舗を出店した際の様子


 新たな拠点に選んだのは福岡市。創業支援サポートが充実していたことなどが決め手でした。起業後はサイト運営のほか、イベント事業も企画。2023年秋には千葉県と神奈川県で、「お供」の食べ比べができるリアル店舗を期間限定で出しました。


「九州めし友グランプリ」の投票ボード


 イベント期間中は「おかわりJAPAN選抜 九州めし友グランプリ」も開催。長船さんが厳選した商品を来場者に食べてもらい、投票でグランプリを選びました。上位3品に選ばれたのは次の通りです。


金賞


阿蘇とり宮 馬スジの煮込み(熊本県)

老舗精肉店の馬スジ煮込み。甘口しょうゆベースに、ほろほろとほどける食感です。

銀賞


坂本商店 いかの塩辛と切干大根のピリ辛和え(福岡県)

北九州で100年続く問屋のオリジナル商品。大根の辛みとポリポリ食感がやみつきに。

銅賞


高橋商店 のりクロ(福岡県)

ゆず胡椒(こしょう)から生まれたスパイスをのりに加えた新感覚の佃煮。チューブ入り。

念願の書籍出版が実現

 念願かなった初の書籍は「山口恵以子のめしのせ食堂」(小学館)です。小説「食堂のおばちゃん」「婚活食堂」「ゆうれい居酒屋」の3シリーズが累計100万部を突破した作家・山口恵以子さんが、ご飯のお供をテーマに10編を執筆。長船さんは、小説に登場する40品のお供について監修し、お取り寄せ情報を含めて担当しました。


念願がかなった書籍「山口恵以子のめしのせ食堂」


 本には、福岡の代表格・明太子も職人手作りの究極の逸品が登場します。ほかに、おかず味噌(みそ)や漬物など全国各地の知られざる味を掲載し、小説と「お供」情報が楽しめる異色の1冊は税込み1650円。全国の書店やオンラインで購入できます。


 2013年にサイトを始めた頃、「テレビに出る」「事業化する」「本を出す」の三つが目標だったという長船さん。すべてが実現しましたが、これで終わりではありません。「本で紹介した40品の販売イベントなど、やりたいことはたくさんあります。本のシリーズ化といった夢も膨らみます」


共著で出版した本をPRする長船さん


 人口減少や食文化の多様化で、お米の消費量は減っています。「おかわりJAPAN」の代表として看過することはできません。「ご飯のお供業界の発展は、土台となる『ごはん食』があってこそ。お米の価値を上げる仕掛けづくりも考えなければ」と、大きな目標と使命感をもって活動にさらに力を入れていく構えです。


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