「主菜は唐揚げ一つ・・・」 福岡市教委が給食献立を改善へ
福岡市教育委員会は、市立小中学校で提供する給食の献立について、外部有識者を交えた検討会を設けて改善を図る方針を決めた。主菜の唐揚げが一つだけだった市立小の給食写真がSNSに投稿され、「粗末だ」「育ち盛りなのに」といった批判が相次いでいた。
「育ち盛りなのに…」SNS批判受け
市教委は「食育」の専門家や飲食業界で活躍する人材などの中から選ぶ方向で調整している。検討会では献立を充実させるためのアイデアを募り、見栄えだけでなく、地元産食材を取り入れた「地産地消型メニュー」の採用も目指す。
高島宗一郎市長は6月11日、読売新聞の取材に対し、市の給食予算の増額を図っていく方針を示した上で、「『効率よく栄養を』という給食の既成概念から離れ、『食べたいと思う食事』を提供しているプロの視点を入れたい」などと述べた。
問題の給食は4月に出されたもので、唐揚げ一つのほかはご飯にみそ汁、牛乳だった。市教委は必要な栄養は確保されているとしつつ、「器が大きいため、相対的に小さく見えてしまった。見た目も考えないといけなかった」としている。
給食費負担据え置き 補填に12億円
学校給食を巡っては、近年の物価高に伴って原材料費が高騰。市教委によると、2025年度は1食当たり289.47円で、10年前の15年度(243.15円)と比べて約2割増となっている。一方、保護者から徴収する給食費は小学校で月額4200円、中学校で同5000円。この10年は据え置かれ、市は公費負担を増やして対応している。今年度の補填(ほてん)額は、3年前の約3倍となる約12億円に達した。
市は独自施策として、今年の2学期以降、市立小中で給食費を無償化することにしており、高島市長は「ピンチをチャンスに変え、子どもたちが楽しみにしてくれる給食にしていきたい」と語った。