経営難が続く福岡県直方市と同県行橋市を結ぶ第3セクター・平成筑豊鉄道(福岡県福智町)について、服部誠太郎知事は3月25日、県設置の法定協議会で路線バスに転換する案が決議されたことを沿線9市町村や同社に報告した。鉄道の廃止時期は未定。法定協は走行ルートなどの議論を始めるが、運転手確保や自治体の財政負担など課題は多い。
社長「重く受け止めている」
法定協では、運行とインフラ管理を切り分ける「上下分離方式」での鉄道存続や、バス専用道を設けるBRT(バス高速輸送システム)も検討されたが、市町村の担当者や交通事業者など委員27人のうち、棄権者を除く過半数が路線バス案を支持した。
報告を受けた同社の河合賢一社長は「重く受け止めている。長い間走ってきた鉄道をどう店じまいしていくか、緊張感を持ってあたりたい」と述べた。鉄道事業廃止後の会社のあり方や、線路や車両の活用・撤去については今後自治体などと協議するという。
バス運転手の確保が課題に
法定協では、2026年度の早い時期に地域公共交通計画を策定するとしており、具体的な走行ルートやダイヤなどを検討する。これまでに県が示したバス案では、市町村を運行主体としたコミュニティーバスを想定し、44人程度の運転手が必要と試算している。
ただ、運転手不足は既存事業者でも慢性的な課題だ。田川市内の7路線でコミュニティーバスを運行する田川構内自動車の中山隆博顧問は、運転手の奪い合いになる可能性に触れ、「(自社の)運転手が確保できず、市民の足が奪われる恐れもある」と懸念する。
バスに転換しても赤字は解消せず、県の試算では、自治体の財政負担は今後30年間で110億円に上る。沿線市町村は02年度から財政支援を行い、25年度も4億4300万円を投じた。田川市の村上卓哉市長は「赤字をどう縮小するかも議論のテーブルに載ってくるだろう。住民に選ばれる、持続可能な公共交通となるよう充実させていかなければいけない」と語った。
沿線の住民からは鉄道廃止に不安の声も聞かれた。4人の子どもが通学で利用したという福智町の女性(61)は「人口減少で廃止は仕方がないとは思うが、バスも人手不足や渋滞が指摘されている。孫が通学できるか不安はある」と話した。







