【熊本】内村光良さんの映画 ふるさと・人吉で試写会
2020年7月の九州豪雨で甚大な被害が広がった熊本県人吉市出身のタレント内村光良さん(58)が、被災地を舞台に制作した短編映画「夏空ダンス」の試写会が2月27日、同市のカルチャーパレスで開かれた。制作に携わった関係者ら約400人が完成した作品に見入り、古里の再興へ思いを新たにした。公開は年内の予定。
人吉舞台「夏空ダンス」
映画は、復興途上にある人吉・球磨地域の今を伝えたいとの思いから内村さんが監督・脚本を担当。撮影は人吉市や球磨村などで昨夏に行われ、架空の「人吉高校ダンス部」で部活動に打ち込むヒロインの青春を描いている。
作品には空き地だらけの中心市街地や流失したままの鉄道橋なども登場する。復興への道のりの険しさを表現する一方で、苦境から立ち上がる市民のたくましさも収められている。
質疑応答も
試写会は地元自治体などでつくる制作支援実行委員会が企画し、地元の出演者や高校生らが47分間の作品を感慨深そうに観賞した。オンラインで参加した内村さんは「人吉・球磨の(復興途上の)風景を切り取ることができた。見てもらえて幸せ」と語った。
質疑の時間もあり、男子高校生は「社会人になる上で大切なことは」と質問。内村さんは「思い出を胸に歯を食いしばり、一歩一歩焦らずに進んでいってほしい」と応じた。
抽選会で内村さんのサイン入りグッズが当たった人吉高3年の男子生徒は「今でも復興できていない部分が残っている。作品を見て人吉について知り、応援してもらえたらうれしい」と話した。