【熊本】放置竹林からメンマを開発 販路も拡大中!

 熊本県多良木町の元地域おこし協力隊員矢山隆広さん(37)が、荒れた町内の竹林から採ったタケノコを使った「多良木メンマ」を開発した。4月8日の発売開始から、わずか1週間で200個が完売。地元の新たな土産に育て、放置された竹林の再生につなげようと、販路拡大に力を入れている。

多良木の元地域おこし隊員


多良木メンマを開発した矢山さん


 矢山さんは熊本市出身。熊本地震をきっかけに東京から帰郷し、2017年に多良木町の協力隊員となった。


 竹は成長が早く、早いものは1年で10メートル以上伸びる。町に数多くある放置竹林に目をつけ、「人が手入れしなければ荒れるが、活用できれば最強の資源になる」と考えた。伐採技術などを学び、20年に任期を終えた後も町に定住し、整備を続けた。

 伐採が進むと、差し込む光が増え、タケノコが次々と育ってきた。活用法を模索する中で、福岡県糸島市でタケノコを加工したメンマを作っていると知った。町でも商品化しようと宮崎県延岡市の企業にも協力してもらい、昨夏から試作を繰り返した。

資源を活用、新たな土産へ


多良木メンマ(矢山さん提供)


 商品は今年3月に完成した。「梅味」と「柚子(ゆず)味噌(みそ)味」の2種類(いずれも税込み980円)。「おにぎりに合う」がテーマで、すっきりとした味わいに仕上げたという。


 追加生産をして、町の物産館やオンラインで販売している。今夏には、人吉市内にメンマを使ったおにぎり店も開く予定だ。


「よい循環を完成させたい」


 矢山さんは「売り上げで竹林の整備を進め、また良いメンマをつくる。そんな循環を完成させたい。使われていない資源の価値を再認識するきっかけにもなれば」と話している。


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