【佐賀】「やぶ医者大賞」に唐津市の医師・阿部智介さん

 佐賀県唐津市七山地区の診療所長、阿部智介さんが、地域医療に貢献する若手医師を顕彰する「やぶ医者大賞」に選ばれた。県内からの選出は初めてで、12月5日、県庁で山口祥義知事に受賞を報告した。

 兵庫県養父(やぶ)市の主催。やぶ医者の語源が養父にいた名医との説にちなんだ賞で、医療過疎地域の病院や診療所に5年以上勤務する50歳以下の医師・歯科医師を対象に選考する。10回目となる今回は、8人の応募があり、阿部さんと福井県の医師計2人が選出された。


やぶ医者大賞を受賞した阿部医師(左)と山口知事

 阿部さんは2006年に東京医科大を卒業。父、孝昭さんが無医村だった七山村(現・唐津市七山地区)に開設した診療所を、父の死を機に約11年前に引き継ぎ、「故郷を守りたい。やれることは全力でやりたい」との一心で地域と向き合ってきた。

 この間、住民の利便性を高めて災害対応力を強化するため、市役所支所への診療所と歯科診療所、調剤薬局の移転集約に尽力。過疎地では、予防による自助や地域での互助が重要とも考え、地域の医療関係者らと「巡回寺子屋」と名付けた啓発活動にも取り組んだ。

 知事と面談した阿部さんは「七山だけではなく、過疎化が進む市内の旧郡部全体の医療を良くしていきたい」と決意を語った。山口知事は「阿部先生がやっていることは非常に大事にしたい。(県にも)いろいろ提案してほしい」と話した。


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