折尾駅南側再開発 マンション、ホテルなどにぎわい創出
北九州市は4月9日、JR折尾駅(北九州市八幡西区)の南側で進める再開発事業について、JR九州など駅前に土地を所有する3社とまちづくりに関する連携協定を結んだ。マンションや共有オフィス、ホテルなどが建設される予定で、同市の西の玄関口となる折尾地区のにぎわい創出につなげたい考えだ。
北九州市とJR九州など3社が連携協定
協定を結んだのは、JR九州のほか、不動産事業などを展開する高松産業(水巻町)と東宝住宅(同市小倉北区)。まちづくりのキャッチフレーズは「オリオXcite(エキサイト)」で、折尾地区に大学や高校が多いことから「若者と共に駆け上がる成長の舞台」と位置づけた。
計画では、駅南側の約6000平方メートルにJR九州が分譲と賃貸の二つのマンション、高松産業が共有オフィスと賃貸マンションが入る複合ビル、東宝住宅がホテルや分譲マンションを想定したビルを、それぞれ建設する。ビルの高さやデザインに統一性を持たせて景観に配慮するほか、容積率緩和の手続きや、まちの魅力を広める広報活動で協力していく。投資額は合計で約90億円。完成時期やビルの規模は今後、調整する。
市と3社はこの日、同市役所で記者会見し、武内和久市長は「折尾の将来像を関係者で共有し、工夫や知恵、思いを込めながら民間開発を進めていきたい」と話した。JR九州の古宮洋二社長は、小倉や福岡への通勤が可能な折尾を「住居系に適したエリア」とし、「にぎわい作りに尽力したい」と述べた。
同駅周辺では、2004年度から再開発が進められ、駅北側では線路の高架化や新駅舎が完成。駅南側では約16.9ヘクタールで土地区画整理事業が進められている。市は、28年度の事業完了までに民間の投資を呼び込むエリアを約7ヘクタールまで拡大したいとしている。
赤レンガ高架橋、保存か解体か
同駅南口近くには、レンガを斜めに積み上げる「ねじりまんぽ」という珍しい工法で建設され、築100年を超える赤レンガ造りの高架橋がある。区画整理によって高架橋があるエリアは公園になる予定だが、市折尾総合整備事務所は保存か解体かを含めて「今後の取り扱いは未定」としている。