【宮崎】「半身唐揚げ」で日本一に! 宮崎市の居酒屋

 カリッとした食感で、口の中に鶏肉のうま味とスパイスの香りが広がる――。宮崎市中央通の居酒屋「初代(はつだい)商店」の「宮崎県産 ひな丸鶏の半身唐揚げ」が、第15回からあげグランプリの素揚げ・半身揚げ部門で最高金賞に輝いた。ブロイラーの飼育羽数全国2位の県内から誕生した日本一の半身唐揚げには、「世界に通用する料理にしたい」との店主のこだわりが詰まっている。

「初代商店」の人気メニュー


初代商店の「宮崎県産 ひな丸鶏の半身唐揚げ」

 「人情横丁」の一角にある初代商店はカウンターだけの小さな店構え。ひな丸鶏の半身唐揚げは、小林市産の鶏の半身をそのまま揚げたボリュームたっぷりの人気メニューで、1皿1650円だ。

 「海外の人にもおいしいと言ってもらえるように作り込んだ」。店長の和田博さん(49)が胸を張る。

チキン南蛮以外で県勢初の栄誉

 日本唐揚協会(東京)が主催するからあげグランプリは、東日本しょうゆダレや手羽先など10以上の部門がある。第15回大会はインターネットによる投票を経て、実食審査があり、初代商店は素揚げ・半身揚げ部門で金賞の3店に入り、その中で1店だけの最高金賞に輝いた。県勢の最高金賞は宮崎県が誇る郷土料理のチキン南蛮部門以外では初という。


グランプリの授賞式で最高金賞受賞を喜ぶ和田さん(右から2人目、和田さん提供)

 和田さんは新潟県出身。地元で10歳代から飲食業に携わり、10年ほど前から、雇われて宮崎市内のイタリア料理店で店長を務めた。新型コロナ下の2020年に店が閉業したのを機に21年1月、独立して初代商店をオープンさせた。

 新型コロナの影響が残り、客足が伸び悩むなか、看板メニューを作ろうと目をつけたのが、からあげグランプリだった。グランプリは関東を中心に知名度が高まってきており、金賞獲得となればPRになる。「鶏は南九州特産という地の利も生かせると思った」という。

宮崎の味 世界へ届け!

 和食のテイストを残しつつ欧州や中東、南米などの調理法を取り入れてアレンジ。20種類以上のスパイスを調合したタレや衣を使い、弱火で20分かけて揚げる作り方を3年かけて開発した。肉の軟らかさが引き出され、さっぱりとした味わいだ。

 4月に東京であった授賞式後、店の知名度は上がり、客は5倍ほどに増えた。「養鶏が盛んな南九州から、半身揚げを世界に通用する料理にしたい。来てくれるお客様に感謝しながら新たな目標も見つけたい」と話している。


advertisement