【宮崎】綾町の畑をギュッと!野菜のジェラートが評判

 春菊とお茶、ナスと白ワイン、ゴボウと落花生――。宮崎県綾町で、材料に地元産野菜などを組み合わせたジェラートを提供する店「ALOCCA(アロッカ) 畑と、ジェラートと、」が評判を呼んでいる。店主は町の農作物に魅せられ、東京から移住し、就農した長原翔さん。「綾の畑をカップに閉じ込めた。楽しんでほしい」と、有機農業が盛んな町のPRにつなげようと意気込んでいる。

春菊、ナス、落花生… 常時6種類以上を用意


綾町の野菜や果物を生かしたジェラートを販売する長原さん

 店は、町産農作物の販売で人気の直売所「綾手づくりほんものセンター」(綾町南俣)の敷地内にあり、2023年11月から本格営業する。メニューは常に旬の食材を味わってもらおうと毎週一部を入れ替えながら、常時6種類以上を用意している。


この夏人気の「きゅうりレモンチリ」(左)と「バナナピーマンチョコチップ」

 この夏売れ筋の一つは「きゅうりレモンチリ」。甘酸っぱさのなか、青唐辛子のピリリとした刺激もきいている。まろやかな苦みのバナナピーマンを使い、甘みとのバランスにこだわった「バナナピーマンチョコチップ」、ブドウを皮ごと使い、ハーブとスパイスで深みを出した「ぶどうソルベ」も人気。子どもが食べやすいマンゴーを使ったジェラートもある。

 定期的に来店する宮崎市の50歳代主婦は「食材の味をすごく感じる。今度はどんな味を食べられるのかとうきうきする」と話す。

 食材は自身で栽培したものや町内農家から仕入れたものが中心で、調理方法は妻の直穂子さんと試行錯誤。編み出したメニューは約50種に上る。食材をペースト状にする際、フレッシュさを生かすために非加熱で使うこともあれば、風味を引き出そうと、焙煎(ばいせん)したり、ゆでたりしてから調理する場合もある。

移住の長原さん 新規就農して開店

 長原さんはかつて東京で役者をしていた。旅行で訪れた綾町の豊かな自然と農作物にひかれ、長男が生まれた翌年の2016年に移住。新規就農し、「日々かたちが変わるライブ感が役者に似ている」という畑と向き合う中、自分や周囲の農家が丹精込めて育てた作物を多くの人に食べてほしいと、ジェラートに目をつけた。


「綾ローカルアイス」から名付けたアロッカ

 22年夏、期間限定で開店し、23年11月に常設化。店名のアロッカは、地域に根ざそうと「綾ローカルアイス」をもじってつけた。

 営業は午前11時~午後4時半。木曜定休。1、2種盛りは500円、3種盛りは550円。メニューは持ち帰り用もある。「綾には山や川など豊かな自然を求めてたくさんの人が来てくれる。自然を堪能しながら、楽しみの一つとして立ち寄ってもらえる店にしたい」と長原さん。最新メニューの情報は同店公式インスタグラムで紹介している。


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