【山口】メタバースの美祢市においでませ 来年にも誕生

 インターネット上の仮想空間「メタバース」に山口県美祢市の拠点が2025年にも誕生する。地元産品の販売促進や観光客の誘致、ふるさと納税の寄付拡大に活用することを目的に、市と海外の運営会社が連携協定を結んだ。協定を締結するのは、高知市と愛知県岡崎市に続いて3例目という。


美祢市の秋吉台を再現した開発中のメタバース画面(SL社提供)

 提携先は、フィリピンに本社を置く情報技術系の新興企業「START LANDS(SL)」。同社によると、2022年5月からメタバースの運営を始め、24年7月時点で国内外の計1万8000人が参加している。

 計画では、SL社の仮想空間に「美祢メタバース(仮称)」を開設し、美祢市が誇る国内最大級のカルスト地形・秋吉台や宝石のように輝く光景が人気の観光地・別府弁天池を再現する。参加者は「アバター」と呼ばれる自身の分身を操って探索し、現地を疑似的に訪問できるようになるという。

 メタバースの市場規模は今後も拡大することが見込まれており、美祢市は〈1〉特産品の販促〈2〉観光誘客〈3〉ふるさと納税の広報宣伝――などの波及効果を期待している。開設の具体的な時期は未定。


メタバース進出の協定書を取り交わす篠田市長(左)とSL社の太田代表


 8月26日に市役所で開かれた締結式で、SL社運営責任者の太田秀俊・コミュニティ代表と協定書を取り交わした篠田洋司市長は「可能性は無限大。仮想と現実を組み合わせて地方創生を加速的に進めたい」と意気込みを語った。


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