【山口】クマ出没警報を発令 岩国で襲われた70代が重傷
山口県岩国市の山間部で9月8日午前6時20分頃、70歳代男性がクマに襲われた。左手首を骨折するなどの重傷を負い、市内の病院に搬送されたが、命に別条はないという。
県警岩国署によると、現場は同市本郷町波野の廃校となった旧市立波野小の北側約200メートル。男性が助けを求めた近くの住民の話では、男性は畑に向かう途中、山から下りてきたクマに襲われたという。住民の119番で救急隊が駆けつけた際にはクマの姿はなかった。
緊急会議 捕獲を進め、注意喚起強化
県は8日、クマの出没警報を発令後、緊急の対策会議を岩国市内で開き、捕獲を進め、住民への注意喚起を強化する方針を確認した。県によると、クマによる人身被害は2022年6月に同市の県道で70歳代男性が襲われて以来2年ぶり。
岩国市内では8、9両日、クマの痕跡が相次いで発見された。岩国署によると、錦と美和両町で柿の実が食べられているのが見つかり、周東町でも栗の実が10個ほど被害に遭っているのが確認された。いずれも木の幹に残された爪痕や大きな足跡などから同署はクマが出没したと判断。一方で、8日に住民を襲った同市本郷町のクマとは距離が遠いことから関連は薄いとみている。