【熊本】サンマルク、宇城市でパン用小麦を自社生産へ!

 国内外でレストランやカフェなど850店舗以上を展開する「サンマルクホールディングス」(岡山市)は、店舗で提供するパン用小麦を熊本県宇城市で自社生産する新事業を11月初旬にもスタートさせる。農家から水田を借り受けて裏作として小麦を栽培し、将来的には米や大豆の生産にも取り組むという。

食料自給率向上を目指す


協定締結後に記念撮影する(左から)藤川社長、木村知事、末松市長

 同社は、ロシアによるウクライナ侵略後に小麦の価格が急騰したことをきっかけに、食料自給率が低いという社会課題に取り組もうと農業事業への参入を決定。各自治体と協議を進める中、地元からの支援など協力姿勢が熱心だった同市で事業を実施することにした。

 7月末、同市に農作物の生産や販売を行う事業会社「サンマルクファーム」を設立し、初年度は12農家から計約6.5ヘクタールを借り受け、試験的に複数の小麦の品種を栽培する。10年後には200ヘクタールまで広げ、一部は通年でも土地を借り受け、米なども生産していく計画だ。市側は農家とのマッチングや営農に必要な情報の提供などを担う。

 同社の藤川祐樹社長と末松直洋市長は9月11日、熊本県庁で協定を締結し、木村敬知事も立ち会った。藤川社長は「年間使用している3000万トンの小麦の全ては難しいと思うが、一定の量は自社生産で賄いたい」と意気込みを語り、末松市長は「裏作物の農地を有効に活用して新たな小麦産地を形成し、農産物のブランド力を高め、農家の所得向上にもつなげていきたい」と期待した。 


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