【長崎】交通空白の解消へ 新上五島町で「グリスロ」運行

 交通空白地域の解消などを目的に、長崎県新上五島町は、時速20キロ未満で走る電動車両「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」の実証運行を行っている。11月29日までで、期間中は誰でも無料で乗車できる。

11月29日まで実証 乗車は無料


実証運行を行っているグリスロ「アオカゼライド」

 車両は2台で、それぞれ定員6人と3人。町が依頼した住民が運転手を務め、9月中旬から中心部の青方地区で運行している。低速のため、一般車両の妨げにならないよう交通量の多い国道などは避ける。

 県上五島病院や青方郵便局、スーパーなど14か所に設置されたタブレット端末で車両を呼び出すことができ、エリア内であれば自由に降りられる。走行中でも空席次第で乗車できる。

地域の足へ「アオカゼライド」

 県立上五島高の生徒も授業の一環で関わっており、広報などを担当。車両の名称は、五島の青い海と爽やかなイメージなどから「アオカゼライド」と名付けた。

 町地域づくり課によると、町内では高齢化が進み、短い距離でも徒歩で移動するのが難しい高齢者が増えている。一方、公共交通機関のドライバーは不足しており、交通空白地域が生じている。石田信明町長は「高齢者の移動手段の確保は課題であり、利用者の反応を見ながら正式な導入を検討していきたい」と話している。

 運行時間は午前9時~午後4時、日曜・祝日は運休。問い合わせは同課(0959-53-1113)へ。


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