北九州で「世界身体障害者野球大会」開催 福岡県から4選手
車いすから投げる宮地翔大投手(中央)の球を、左手に義手をはめて打つ父の雅之選手(10月10日、北九州市門司区で)
第6回世界身体障害者野球大会が11月21、22日に北九州市民球場で開かれる。2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)をきっかけに始まった「もう一つのWBC」とも呼ばれる大会で、九州で初めて行われる今大会には、地元の福岡からも4選手が日本代表として参加する。様々な工夫と努力を積み重ねてプレーする選手たちは、「障害者野球の魅力を伝えたい」との思いを胸に夢舞台に挑む。
工夫を重ねて、みんなでカバー
10月上旬、同市門司区の公園で日本代表4選手が所属する障害者野球チーム「北九州フューチャーズ」の練習が行われた。
試合形式の練習中、車いすの宮地
病気の影響で生まれつき左手が小さい梶原選手が使うグラブは、ベルトで手首を固定できる特注品。一般的なグラブではプレー中に外れてしまうため、高校生の頃に用具メーカーに頼んで作ってもらった。梶原選手は「それぞれ障害は違うけど、みんな工夫してプレーしている」と話す。
国指定の難病を抱える宮地投手は、中学3年でチームに入った。最初は5メートルほどしか投げられなかったが、毎日のストレッチで肩関節の可動域を広げ、尻を軸にした体重移動を身につけて約3年でチームのエース格に成長した。世界大会は初参戦。「僕がプレーする姿で、『車いすでもこれだけ出来るんだ』と誰かの希望になれたら」と力を込める。
「少しでも競技人口が増えたら」
フューチャーズは全国大会で優勝経験もある強豪。月2回の定期練習に加え、地域で行われている草野球リーグに参戦し、健常者のチームと
片岡勇人選手(31)は「フューチャーズに入ったことが人生で一番大きな出来事」と話す。片岡選手は出生時の事故で左腕にまひを負った。右手で捕球後、グラブを左腕と顎で挟んで右手で投げる「握り替え」と呼ぶ技を身につけ、高校3年夏は左翼手として全国選手権の大分大会に出場した。
その評判を聞き、大分県豊後高田市の実家を訪ねてきたフューチャーズの関係者に誘われて、高校卒業後にチームに加入。走攻守の三拍子そろった外野手として日本代表にも選ばれて、2014年の世界大会でも活躍した。フューチャーズのマネジャーで日本代表のスコアラーも務める
現在、九州で活動している障害者野球チームはフューチャーズだけ。片岡選手は「地元の九州の皆さんに障害者野球を知ってもらえるチャンス。僕らが全力で野球を楽しむ姿を通して、少しでも競技人口が増えてくれたら」と活躍を誓う。
日本3連覇へ!
世界大会は、日本身体障害者野球連盟(兵庫)の主催で2006年から4年に1度のペースで開催されている。日本は4度の優勝経験があり、3連覇を目指す今大会では韓国、米国、プエルトリコ、台湾の4チームと総当たり戦で頂点を争う。
基本的には軟式野球と同じだが、盗塁やバントは禁止。下肢に障害がある打者の代わりに他の選手が走る「打者代走」の特別ルールがある。打者代走が塁上で自分の打席を迎えた場合は選手交代かアウトになる。
世界大会の運営委員長を務める山本栄治さん(57)は「あらゆる攻撃パターンや状況を想定して打順を組む必要がある。戦略的に面白いところなので、注目して見てもらいたい」と話す。
■ 最高打率選手に「長嶋茂雄賞」
第1回大会で実行委員長を務めた長嶋茂雄・読売巨人軍終身名誉監督にちなみ、大会最高打率の選手には「長嶋茂雄賞」が贈られる。
<日本の試合日時と対戦相手>
21日11時45分 台湾
15時15分 米国
22日 9時 韓国
12時30分 プエルトリコ







