「北九州下関フェニックス」が大谷球場を取得 公式戦を目指す

大谷球場で改修方針などを語る竹森社長

 野球の独立リーグに所属する「北九州下関フェニックス」が、北九州市八幡東区の大谷球場を取得した。球団によると、国内の独立リーグ球団による球場所有は初めて。ただ、97年前に完成した同球場は老朽化が深刻で、現状では公式戦を開催できない。球団は今後、資金を調達しながら改修工事を進めるとしている。

未来に残る球場に!

 大谷球場は、1928年(昭和3年)に官営八幡製鉄所が神宮球場をモデルに整備。門司鉄道管理局(現・JR九州)との定期戦「製門戦」の舞台となり、社会人の強豪同士の戦いは人気を博した。

 製鉄所の野球部が廃部となった後、2004年からは市が無償で借り受け、市営球場として運営した。しかし、老朽化で管理が難しくなり、3月末に日本製鉄へ返還。ホームとなる球場を探していた球団が購入交渉を行い、4月24日付で取得した。球団は取得金額を明らかにしていない。


老朽化したスタンドは一部が崩れている


 球団は、実業家の堀江貴文氏が21年に創設。九州アジアリーグに加盟し、北九州市と山口県下関市を本拠地に活動している。竹森広樹社長は8月20日、大谷球場で記者会見し、「新しい魅力を加え、未来に残る球場として再生していきたい。地域の皆さんに気軽に足を運んでもらえれば」と語った。球場名については、米大リーグで活躍する大谷翔平選手の存在に触れ、「奇跡的な名前。歴史ある球場であり、変える必要はない」と述べた。


CFで改修費調達へ

 また、現在は試合が行える状況ではなく、選手を中心に芝刈りなどの整備を行っていると説明。今後、人工芝への転換や防球ネットの設置、LEDスコアボードの導入、観客席の改修などに取り組む方針だが、15億円ほどかかる見通しで、クラウドファンディング(CF)の活用などで資金調達を進めるとしている。


傷んだグラウンドで選手が芝刈りをしている


 球団は同球場で9月18日にオープン戦を開催し、11月22日には野球とショーパフォーマンス、グルメを掛け合わせたイベント「クレイジーボール」を開催する予定。公式戦は、来年秋の開催を目指すという。


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