福岡市・箱崎「大学湯」がリニューアル 地域の交流拠点として再出発

リニューアルした大学湯で銀ソーダさん(左)と石田さん

記事 INDEX

  • 銭湯の日(10月10日)にリニューアル
  • 地域の交流拠点へ
  • 銀ソーダさんが壁画を制作

 福岡市東区箱崎の元銭湯「大学湯」が10日、保存のための改修工事を終えて一般公開されました。ギャラリーやイベント会場としての利用を予定するほか、地元画家のアトリエとしても引き続き使用されるそうです。

地域の交流拠点として

 大学湯は戦前の1932年(昭和7年)に創業。近くに九州大学の箱崎キャンパス(2018年に福岡市西区へ移転)があったことから、学生街の銭湯として愛されてきました。しかし、ライフスタイルの変化で学生が暮らすアパートにも内湯が広まり、2012年に惜しまれつつ廃業しました。


改修工事を終えた浴室

 今年、創業者の孫で建物を管理する石田健さん(東京都在住)と箱崎在住の画家・銀ソーダさんが中心となり、改修工事の資金を調達するクラウドファンディングを行ったところ、約600万円の支援金が集まりました。自己資金や金融機関からの融資も加え、約1000万円を準備。7月上旬から3か月間かけて工事が行われました。

 今回の改修では、雨漏りで腐食していた屋根や梁(はり)を取り換えたほか、浴室部分の天井も新調しました。崩れかけていたタイル壁も一部を取り壊し、新たな白壁に銀ソーダさんが壁画を描いています。


advertisement

銀ソーダさんが壁画『記憶の海』

 銀ソーダさんは幼い頃から大学湯を利用していました。現在は自身のアトリエとして大学湯を使い、定期的に作品展も開いています。

 「まさか自分の絵が大学湯の壁になるとは思ってもいませんでしたから、不思議な感じです。作品は『記憶の海』をテーマに、大学湯を利用していた人たちの記憶を表現しています。今回、大学湯が再出発することに、私自身も新たな希望を感じています」と語ります。作品はまだ制作中で、今月中の完成を目指しています。


銀ソーダさんが制作中の壁画の一部

 大学湯はこれからも、銀ソーダさんのアトリエとしても利用されるそうです。

 石田さんは「銭湯を廃業して以降、銀ソーダさんをはじめ多くのアーティストに使ってもらいました。芸術分野の拠点としての実績を踏まえ、ギャラリーやイベント会場としての利用を見込んでいます。そして地域の交流拠点として、再び多くの人たちが集う場所に育ってほしいです」と期待しています。



advertisement

この記事をシェアする

  • テアトルアカデミー
  • 読売旅行 行くばい!よか旅
  • 読売新聞 購読の申し込み
  • 西部読売育英奨学会 よみいく
  • ささっとーも読める読売新聞オンラインアプリのご紹介