財津和夫さんが故郷で作詞講座 福岡への思いとは・・・

来るたびに違う味わい

 講座の後、財津さんは報道陣のインタビューに応じてくれました。福岡で講座を開く理由、故郷への思いなどを聞いてきました。


予定時間よりも長く話してくれました


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――詩について受講者と真剣にやり取りしていました。講師をやってどうでしたか。
 真剣に向き合っていただいている姿が、嬉しいと同時に申し訳ないなという気になってきた。僕は作詞のプロじゃなくて、自分の歌を中心に詞を作ってきただけですから、技術も持ってない。でも、そんな僕が書いてきた詞がどういう評価を受けているのか興味がある。そして、自分が今この年齢で言いたいことをぶちまける格好の場所があるという気もする。許していただけるなら、僕が得た知識や経験の中で、「僕はこんな風に書いてきました」というのをお伝えして、みなさんの書いた詩と照らし合わせて「ああだね」「こうだね」と言い合いたい。教壇の上からでなく、友達と集まって詩の朗読会をするような感じが理想ですね。

――どういう思いで講座を始めたのでしょう。
 不純な動機ですけど、福岡に戻ってくるきっかけが何かないかなと。戻ってくると言っても、こっちに移住するわけじゃないですが。故郷への思いが強いので、福岡の空気をたくさん吸える方法はないかなと思い、「じゃあ仕事を作ればいいんだ」と。


福岡への思いを語る財津さん


――福岡への思い入れは。
 故郷ですからね。みなさんと同じ気持ちだと思うんですよ。説明する必要はないかもしれないですけど、「お母さん」みたいなもんだと思うんですよね。「お父さん」ではないんです。お父さんは、東京へ行ってから後のような感じ。理屈でどうだこうだっていうよりも、僕を生んで育てて、包んでくれた場所。福岡は私にとって「子宮」ですね。


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――がんで活動休止ということもありました。
 元気になったら元気になったで、がんのことは忘れてますし、忘れたいというのも強いのかもしれないですけど、より仕事を増やす傾向にありますね。元気な自分を自分で確認したいというのもあるのかもしれません。がんとは関係ないかもしれませんが、歳をとるとコンサートって体力がいるんでなかなか増やせないんです。そういう意味で、ここに落ち着いたのかなと。

――講座は故郷への恩返しでもあるのでしょうか。
 恩返しというよりも、僕が福岡に行きたいということですね。福岡で昔見た顔、仲間たちと会えたりとか、福岡ならではの感覚というものがあるんですよ。僕は海のそばで育ったので、海を見ればそれを思い出しますし、学生の頃を思い出したりします。それを味わうために福岡にやってきている。だから、恩返しではないと思います。むしろ僕が恩を被っているという感じです。だって、昔は故郷じゃないですから。バンドやって「福岡じゃだめだ」と言って、東京へ行くときは、福岡はトカゲのしっぽ切りでしたからね。切ることで戻れなくしちゃおうという決意はあった。そういう思いがあったからこそ、来るたびに味わいが違うんですよ。


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