「ヌン活」に緑茶や“夜”も 福岡の各ホテルが多彩に提案

グランド ハイアット 福岡で開催中のマロンアフタヌーンティー「グリーンティー グリーティング」

記事 INDEX

  • お茶にフォーカス
  • 夕食代わりにも!
  • 限定品はほぼ完売

 福岡の各ホテルが、アフタヌーンティーの企画に工夫を凝らしています。新型コロナウイルスの感染拡大期に「夜の飲み会より参加しやすい」と午後のティータイムを再評価する声が広がり、SNSを中心に「ヌン活」ということばも浸透しましたが、コロナ禍が一服した今も人気は続いているようです。

お茶にフォーカス

 「毎年、茶摘みをしていますが、一つとして同じ茶葉はない。その子が輝くような加工を心がけています」


グランド ハイアット 福岡で開かれたイベント


 9月中旬、福岡市博多区のホテル「グランド ハイアット 福岡」で開かれたアフタヌーンティーを“深掘り”するイベント。同ホテルの9月と11月のアフタヌーンティーに、無農薬栽培の緑茶を提供する鶴製茶(佐賀県基山町)の靏(つる)健寿さんは、現場の工夫や思いを約20人の参加者に語りました。


生産者の思いを聞いて、アフタヌーンティーを楽しむ


 同ホテルによると、コロナ禍で夜間の飲食が苦戦した時期もアフタヌーンティーの企画は好調に推移。今年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行した後も、集客が持続しているといいます。


多くの参加者がスマートフォンを向けながら、おいしいお茶の入れ方の説明に聞き入った


 そこで同ホテルは、総料理長らが九州各地の生産者をじかに訪ねて魅力的な食材を発掘し、こだわりのメニューを提供。ハロウィーン期間を挟んだ9、11月には、「日本茶」を”主役”に据えたアフタヌーンティーを企画しました。


 鶴製茶の緑茶や栗が味わえるマロンアフタヌーンティー「グリーンティー グリーティング 」(税込み5500円)は、ホテル地下1階のバーラウンジ「バー フィズ」で11月末まで。広報担当者は「オーガニックの食材を求めるお客さまらに好評です。これからもイベントを通じ、生産者やホテルの思いも伝えていきたい」としています。

 12月1~25日はクリスマスに合わせたメニューを準備しており、今後も季節などに応じて様々な企画を練る予定です。


作業の映像を紹介しながら、栽培へのこだわりを語る靏さん(左から2人目)ら


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夕食代わりにも!

 アフタヌーンティーを楽しむ「ヌン活」は、2022年の「ユーキャン 新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、よく知られることばになりました。

 ヌン活の需要を意識した取り組みは、各ホテルに広がっています。福岡市・天神のソラリア西鉄ホテル福岡は「High Tea(ハイティー) ~夜のアフタヌーンティー~」と銘打ち、ディナータイムにかけてボリュームある食事も楽しめるメニューを今年から企画。ホテル17階の「レッドフランマ」で15~21時に提供しています。


ボリュームある食事も楽しめる「High Tea ~夜のアフタヌーンティー~」(提供:西鉄ホテルズ)


 1人5500円と、通常のディナー(コースで1万円前後)に比べて手が届きやすい価格設定です。担当者は「夕食代わりに利用されるお客さまも多いです」と話します。


限定品はほぼ完売

 福岡市博多区のホテル日航福岡は、1日10食限定で「アフタヌーンティーセット」(3000円)を提供し、ほぼ毎日、完売しています。


1日10食限定のアフタヌーンティーセット(提供:ホテル日航福岡)


 男女を問わず1人での来店も増えており、「窓際の席で街の景色を眺めながら、季節のメニューをゆっくり楽しむお客さまもいらっしゃいます」(担当者)とのこと。


 百貨店でも、博多阪急が10月上旬の「英国フェア」で、ヌン活を意識して紅茶やスコーンなどの販売を強化。小倉井筒屋は今年の初売りで、地元人気店のアフタヌーンティーを盛り込んだ体験型福袋を企画しました。今後も各方面で、ヌン活需要を取り込む動きが見られそうです。


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