福岡の文化を発信!オリックス系2ホテルが同時開業

階数表示に用いられている小石原焼。各窯の味わいを楽しめる

記事 INDEX

  • 随所に地域へのこだわり
  • カジュアルな新ブランド
  • ワーケーションにも期待

 福岡市中央区春吉に10月1日、オリックス・ホテルマネジメント(東京)が運営する新ブランドのホテル「クロスライフ」の1、2号店が同時開業しました。福岡の伝統工芸品・小石原焼などを装飾に使い、全国展開する企業ながら「地域の魅力発信」へ趣向を凝らしています。


開業した「クロスライフ博多柳橋」(左)と「クロスライフ博多天神」

随所に地域へのこだわり

 「ろくろが左回りなのも、小石原焼の特徴です」

 新設ホテルの一つ「クロスライフ博多柳橋」(242室)で開業前日に開かれたイベントには、小石原焼の伝統工芸士、熊谷裕介さん(50)が登場。自身の窯で使っているろくろを回しながら、福岡県東峰村に伝わる小石原焼について解説しました。


ろくろを前に、小石原焼について説明する熊谷さん(クロスライフ博多柳橋で)

 同ホテルでは、各フロアの階数表示などに、熊谷さんら13の窯元が制作した小石原焼を使用。「地域の"いいもの"をホテルで知ってもらい、その場所や店に実際に足を運ぶきっかけをつくるなどして、宿泊客と地域をつなぎたい」との狙いです。

 1階カフェでも、福岡市内でカフェ3店を運営する「マヌコーヒー」が監修したコーヒーを提供。天井の一部に、大川市の伝統工芸・大川組子をイメージしたデザインを採用するなど、地域へのこだわりが随所に見られます。


大川組子をイメージした天井(クロスライフ博多柳橋で)

 同時にオープンした「クロスライフ博多天神」(286室)は、現代アートに彩られています。入り口そばでは福岡出身のアーティスト、山下良平さん(神奈川県在住)が博多祇園山笠をモチーフに描いたウォールペイントが迎えてくれます。


博多祇園山笠の躍動感が伝わるウォールペイント(クロスライフ博多天神で)


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カジュアルな新ブランド

 「クロスライフ」は、オリックス・ホテルマネジメントの新ブランド。既存の「クロスホテル」よりカジュアルな位置づけで、時期などにより異なりますが、素泊まり(2人1室利用)は約6000円(博多柳橋)からと、1万円を超えるクロスホテルより割安です。

 朝食会場などを、午前11時以降は「360°HUB(ハブ)」と銘打ったコミュニティスペースとして運用するのも特徴です。宿泊者でなくてもカフェや地域のイベントに利用できます。


朝食会場をコミュニティスペースとしても運用(クロスライフ博多柳橋で)

 なお、朝食は、博多柳橋で「あごだしのごぼ天うどん」、博多天神で「めんたいフランス」を扱うなど、ご当地グルメも用意。食材も、地元産を中心に使っているそうです。

ワーケーションにも期待

 「コロナ禍の3年間で事業環境は大きく変わりました」と、同社の森直樹・営業本部長。遠方からの客だけではなく地元の利用にも期待し、出張や観光に加え、休暇と仕事を組み合わせた「ワーケーション」の需要も掘り起こしていきたい考えです。


博多祇園山笠にちなみ、縄を結んで開業を祝う関係者たち(クロスライフ博多柳橋で)

 福岡への出店について、森営業本部長は「福岡は新しさと歴史あるものが同居するコンパクトシティーで、転勤者にも人気。非常によい場所で新ブランドをスタートできました」と話します。

 「東京や大阪からはもちろん、地元の方にも使っていただけるよう、地域に開かれ、地域につながる施設として育てたいです」。福岡での実績を踏まえ、「クロスライフ」ブランドをさらに展開する構えです。




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