アビスパの選手たちが高取焼の絵付けに挑戦 販売収益で豪雨被災地の子どもと交流
サッカーJ1・アビスパ福岡の選手たちが6月7日、雁ノ巣球技場(福岡市東区)のクラブハウスで、福岡県東峰村の伝統工芸品・高取焼の絵付けを行いました。作品を販売して、九州北部豪雨で被災した地域との交流資金に充てることにしています。
社会貢献「smileプロジェクト」
2017年に発生した九州北部豪雨の被災地支援として、アビスパ福岡選手会は福岡県朝倉市、東峰村との交流を開始。18年からは地域貢献活動を"文化"としてつないでいこうと、「アビスパ福岡選手会Smileプロジェクト」に取り組んでいます。19年度には病院で闘病する子どもたちを訪問する活動も始めました。
今回の絵付けもプロジェクトの活動の一環です。練習を終えた選手たちは、似顔絵や愛犬のイラスト、好きな言葉やモットーなど思い思いのデザインをカップに描きました。職人さながらの面持ちで絵筆を握る選手や、失敗をうまくリカバリーする選手など、作業の過程にもそれぞれの個性が見てとれました。
選手会長の杉山力裕選手は「活動を長く続けていくことが大切。クラブも協力してくれて一体となって取り組んでいます。活動を『文化』にするには、地道にコツコツやることが最終的に近道になると考えています」とプロジェクトへの思いを語りました。
さらに「子どもたちの力になろうと被災地を訪ね、選手も力をもらっています。復興はまだ途中だということを自分たちも発信していきたい」と力を込めました。
7月10日のホームゲームで展示
「子どもは一流のスポーツ選手と触れ合うことで、得るものがいろいろあり、地元に誇りを持つことにもつながります。私たちも仲間としてアビスパとともに活動し、応援しています」と話すのは、今回の活動をサポートした高取焼鬼丸雪山窯元(東峰村)の鬼丸碧山さん。今後も焼き物を通じ、できる限りの協力を続ける考えです。
選手たちが絵付けしたカップは、7月10日のホームゲーム(京都サンガF.C.戦)で、ベスト電器スタジアム(福岡市博多区)に展示する予定です。ひとり3個ずつ制作したカップのうち2個は抽選形式、1個はオークション形式で販売することにしています。収益は、東峰村の子どもたちを試合に招待したり、選手が東峰村や朝倉市の学校などを訪問したりする交流活動に使います。
7月下旬には、プロジェクトの活動として、博多張り子のお面の絵付け作業も行う予定だということです。