JR九州が自動運転技術を初公開 いつから乗れる?
記事 INDEX
- 終電後に香椎線で走行試験
- 客を乗せる運転はいつから?
- JR九州幹部「運転士と差がない」
JR九州は2019年12月28日未明、自動列車運転装置を搭載した電車の走行試験を報道陣に公開しました。JR九州は将来的な人員不足に備えるため、新たな設備投資を抑えた自動運転技術の実用化を目指しています。走行試験は終電後の時間帯を利用し、福岡市の香椎線(西戸崎―香椎駅間)で今年2月中旬まで続けられます。
客を乗せる「実証運転」は早ければ今年から
自動列車運転装置を備えた車両は「DENCHA」の愛称で親しまれている蓄電池電車「BEC819系」(2両編成)です。運転席には自動運転モニターが設置されており、運転士は発車操作やドアの開閉、非常時の手動による停止作業などを行います。JR九州は年内に国土交通省から認可を受け、客を乗せた「実証運転」を始めることを目指しています。
実証運転:自動列車運転装置が運転士に代わって加速や減速、停止を担う。国土交通省が定める自動運転化レベル「GoA2」に相当し、運転士は運転席で列車の起動、ドアの開閉、緊急停止操作などを行う。JR九州は営業列車で2020年中の開始を目指している。
スムーズな加減速
報道陣が乗車した走行試験では、運転中の急な加減速はなく、駅では所定の位置からおおむね前後1メートルの範囲に停止していました。人が運転する電車との乗り心地の違いは感じませんでした。
JR九州は、乗務員が乗車しない「無人運転」ではなく、運転士免許を持たない係員が乗務する「ドライバーレス運転」を目指しています。既存の技術と設備を活用できるため、大きな投資を伴うインフラ整備を抑えられるのがメリットです。
自動運転は「運転士とほぼ差がない」
香椎駅で報道陣の取材に応じたJR九州の古宮洋二・鉄道事業本部長は「運転士とほぼ差がない加速や減速になってきた。実証運転を重ね、最終的には運転士のいない営業走行を目指したい」と話しました。
走行試験は、2019年12月下旬~2020年2月中旬に合計25日ほど実施する予定だそうです。