ソルト減ると! 減塩へ福岡県が「スマソる?プロジェクト」

「TRY!スマソる?」をイベントでPRする服部知事

記事 INDEX

  • 料理をしてみると
  • 塩をとりすぎると
  • 弁当をよく見ると

 福岡県民は、食塩摂取量が多め――。そんな県民性を背景に、県は9月から、おいしく減塩に取り組んでもらう「スマソる?プロジェクト」をスタートしました。自宅で試せる減塩レシピを公開するほか、県内のスーパーも減塩メニューの弁当を販売するなどし、県民に広く減塩を促したい考えです。

料理をしてみると

 「えっ? これだけ?」

 福岡市内で9月5日に開かれたキックオフイベント。エプロン姿で減塩メニューの調理に臨んだ服部誠太郎知事は、使う食塩の少なさに驚きの表情を見せました。


調理に臨む服部知事


 挑戦したのは「金目鯛(きんめだい)のアクアパッツァ」。塩の代わりに白ワインやにんにく、オリーブなどを使って素材の味を引き立たせたメニューです。考案した料理愛好家・平野レミさん、九州を中心に活躍するお笑いコンビ・パラシュート部隊とともに特設のキッチンに立ち、試食もしました。


 服部知事は「ちょっとの塩しか入れなかったのに、うま味がある。アンチョビもいい仕事をしている」と満足そうな様子。パラシュート部隊の矢野ペペさんは「スープがめちゃくちゃおいしい」、斉藤優さんも「(味が)薄い感じは全くない」と応じました。


好評だった「金目鯛のアクアパッツァ」

 平野さんは、減塩との向き合い方について、毎食ではなく「今日はいっぱい(塩分を)とったから、次の日はちょっとにするなど、1週間といった単位で考えてみるといい」とアドバイスしていました。


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塩をとりすぎると

 福岡県健康増進課のまとめによると、県民1人あたりの食塩摂取量は2016年の調査で男性が1日11.7グラム(全国ワースト4位)、女性が9.5グラム(同8位)と、いずれも全国平均(男性10.8グラム、女性9.2グラム)を上回っています。

 また、20歳以上の県民のおよそ半分が、食塩摂取量との関わりが深い「高血圧症」だといいます。高血圧は動脈硬化などを伴う恐れがあり、脳血管疾患や心血管疾患、腎臓病などのリスクが上がるそうです。


福岡県民は食塩摂取量が多い(スマソる?プロジェクト特設サイトより)

 県は健康増進に向けて、食塩摂取量の目標値を男性は8グラム、女性は7グラムとし、減塩メニューのPRなどを行ってきました。今回はさらに取り組みを広げようと、企業や大学にも協力を呼びかけて新プロジェクトを始めました。

 プロジェクト名「スマソる」には、『スマートに(賢く)ソルト(塩)を使おう』との思いを込めました。「?」は、「まず試してみない?」という呼びかけを表しているそうです。


「スマソる?レシピ」を紹介する特設サイトの画面

 県では、1食あたり食塩相当量が2.5グラム以下で、県内の農林水産物を積極的に使用している料理を「スマソる?レシピ」として、プロジェクトの特設サイトで紹介。平野さん考案の3品と、福岡女子大学(福岡市)が考案した20品を掲載しており、今後も増やしていく方針です。


特設サイトでは、食品に含まれる塩分量の目安も紹介している

 県民から広く減塩レシピを寄せてもらうコンテスト(最高賞金10万円)も行います。10月20日までレシピを募り、11月に審査会を開く予定です。特設サイトではこうした企画のほか、食品に含まれる塩分量の目安や、減塩のコツなどを紹介しています。


減塩のコツは様々(特設サイトより)


弁当をよく見ると

 また、県内で展開するスーパーでは6日から順次、減塩の基準などをクリアした「スマソる?弁当」を販売。「TRY!スマソる?」のシールが目印で、イオン九州(福岡市)や西鉄ストア(筑紫野市)、ハローデイ(北九州市)の計約170店が扱う予定です。


「TRY!スマソる?」のシールのイメージ(特設サイトより)


 県は今後もスーパーの協力を広げるほか、飲食店に外食メニューでの取り組みも呼びかけるなどし、プロジェクトを育てていきたい考えです。


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