「絵描きのホームレス」展に大きな反響 田川市で11月に開催

パソコン画面に映るエノビさんとのリモート会話を見守る青柳さん(左)

 福岡県田川市で開かれた「絵描きのホームレス エノビさんの個展 in 福岡」で、11月11~26日の会期中に絵画46点が購入され、売り上げは約20万円に達した。最終日には東京都内の公園で暮らす作者を番組で取り上げた同市出身のユーチューバー青柳貴哉さん(42)(東京在住)が会場を訪れ、美術ファンらと作品の魅力などについて語り合った。

「いいかねPalette」で

 個展は、廃校になった旧猪位金(いいかね)小校舎を改修した宿泊・交流施設「いいかねPalette(パレット)」で開催され、シャープペンシルで描かれたモノトーンの抽象画など約100点が展示・販売された。青柳さんは同小の卒業生で、施設を拠点に活動するNPO法人アーツトンネルの協力を得て、関東以外で初めての個展を実現させた。


個展会場に並んだエノビさんの作品


 エノビさんは60歳代。芯の濃淡だけで円と背景を表現した精巧な画風の作品を多く描いている。2020年に初めて青柳さんの取材を受け、配信をきっかけに都内で個展を3回開いたほか、大手レコード会社からミュージックビデオの背景画の作成を依頼された。


 田川市での個展の最終日、青柳さんは会場で開かれた座談会で取材のエピソードを披露。「『絵を描いて食べていけたら』と(エノビさんが)言っていた」などと語った。

46点、20万円の売り上げ

 青柳さんの番組「アットホームチャンネル」は登録者数約17万5000人(11月時点)で、この日は番組を通じてエノビさんを知ったという人も含め、約30人が来場して作品の感想などを述べ合った。エノビさんも東京からリモートで会話に参加し、「リンゴをよくデッサンしていた」などと話した。


モノトーンで円を描いた独創的な作品


 購入された46点の内訳はB5サイズ(税込み5500円)25点、B6サイズのスケッチブックから切り離した作品(同3000円)21点。佐賀県伊万里市から訪れた会社員・池田紗矢さん(26)は「作品の一つ一つに、作者の伝えたいことが込められていると感じる」と感心していた。


 こうした反響に青柳さんは「継続して個展を開いていきたい。田川でも、またやりたい」と話していた。


advertisement

この記事をシェアする