新型コロナの春・・・ 桜は今年もきれいに咲きました

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令下、福岡県内では桜の季節が終わりました。イベントが次々に中止され、飲食を伴う花見も自粛を求められましたが、桜はいつもの春と変わらず、きれいな花を咲かせました。読売新聞西部本社のカメラマンが県内各地で撮った今年の"桜咲く景色"を紹介します。


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開花 見渡す限り


発心公園で見頃を迎えた桜(撮影:尾崎孝)

 福岡管区気象台が福岡市の開花を宣言したのは3月21日。久留米市の発心(ほっしん)公園では25日、ソメイヨシノが見頃を迎えました。バーベキューができる公園としても人気ですが、新型コロナウイルスの感染対策で飲食を伴う宴会は自粛を余儀なくされ、訪れた人たちは今年も春を運んでくれた桜の花にカメラを向けていました。

花びら しずく越しに


雨に濡れる光雲神社のソメイヨシノ(撮影:秋月正樹)

 3月後半は雨に見舞われました。福岡市中央区の西公園にある光雲(てるも)神社では、境内に咲くソメイヨシノの白い花びらに、しずくが光っていました。例年は花見客でにぎわいますが、自粛ムードに連日の雨もあって、花をめでる人の姿はまばらでした。


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豪雨 耐え抜いて


豪雨災害を耐え抜いた桜(撮影:貞末ヒトミ)


 2017年の九州北部豪雨で被災した朝倉市杷木松末の小河内地区では、災害に耐えた桜が元気に花を咲かせました。被災前、地区を流れる川沿いに約10本が並び、住民らが花見を楽しんでいたそうです。豪雨で多くが流され、残ったのは2本。市内で仮住まいしている男性は「また一緒に桜を眺められる日がくれば」と願っていました。

山を巻く帯


金比羅山に現れたピンクの回廊(撮影:中嶋基樹)

  北九州市戸畑区の金比羅山でも、麓から山頂の神社へ続く道沿いの桜が満開を迎えました。ドローンで上空から撮影すると、緑に浮かぶピンクの回廊のようでした。


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静寂の闇に浮かぶ


夜桜を楽しむ人の姿も消えて(撮影:秋月正樹)

   福岡市博多区西春町の通称「桜並木通り」は例年、露店が出て夜桜を楽しむ花見客らでにぎわいますが、今年は静まり返ったまま。近くに住む男性は「毎年ごみ拾いに追われてきた。こんなに静かな花見シーズンは初めて」と話し、走り過ぎる車のライトに照らされた桜が浮かんでは消えていました。 

寂しい花盛り


川の両岸からせまるように咲く桜(撮影:大野博昭)

 北九州市小倉南区の志井川沿いでは4月6日、桜並木が満開を迎えていました。多くの花見客がやって来る「志井川さくらまつり」も今年は中止に。マスク姿の人が、写真を撮ったり、歩きながら花を眺めたり、春の訪れを静かに確かめていました。

自宅の窓から見るサクラ


桜舞う福岡タワー(撮影:田中勝美)


 福岡市早良区の福岡タワーでは、桜の花を描いたイルミネーションが夜空を彩りました。タワー外壁のLEDを調整し、ピンク色の花びらが舞うように演出。不要不急の外出自粛を求められる中、周辺のマンション住民らにとっては、自室で楽しめる“花見”です。点灯は4月12日で終わり、福岡タワーは5月6日まで臨時休館が続きます。


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