小郡署から情報発信! 謎の警察官「安全・安心クボヤマン」

小郡署の広報活動に努める「安全・安心クボヤマン」

 福岡県警小郡署が地元ケーブルテレビ局の番組で、防犯や交通安全などについて情報発信するコーナーが人気を集めている。同署員ふんする「謎の警察官」というキャラクターが登場し、寸劇などを交えてニセ電話詐欺や交通事故への注意を呼びかける内容で、同署は「親しみやすいキャラクターを使って警察の取り組みを分かりやすくPRしていきたい」としている。

CATVで広報・啓発活動

 番組は、小郡市に本社を置くケーブルテレビ局「ケービレッジ」が放送している地域情報番組「よかまち情報局」。同局は同市と大刀洗町、筑前町を放送エリアとし、約3000世帯が加入している。

 同署は7年前から番組に情報発信コーナーを設けてもらい、毎月第4金曜日から7日間の放送で広報や啓発を続けてきた。各課が持ち回りで担当してきたが、「登場する警察官が毎回変わると印象が弱い。もっと発信力のある内容にできないか」といった声が署内から上がっていたという。


小郡署の情報発信コーナーで「謎の警察官」を演じる久保山警部補


 そこで、曽我部俊幸副署長がインパクトのあるキャラクターを登場させ、視聴者に関心を持ってもらおうと、「謎の警察官」という設定のキャラクターを考案。スーパーでの勤務経験があり、声が大きく滑舌の良い交通課の久保山隆広警部補(52)に白羽の矢が立った。


 キャラクターの名は「安全・安心クボヤマン」。久保山警部補は制服姿で博多の郷土芸能「博多にわか」の面を付け、昨年5月から情報発信コーナーに登場している。曽我部副署長が毎回、ニセ電話詐欺の被害防止や電車内での痴漢対策などのテーマを決め、寸劇のストーリーやセリフも考える。

お年寄りや子どもに人気

 コーナーの時間は7~8分で、ケービレッジの担当者が撮影、編集する。別の署員や地元住民が出演することもあり、これまでに9回放送された。

 飲酒運転の通報をテーマにした昨年8月の放送は、筑前町の温浴施設で撮影した。クボヤマンが進行役となり、署員や施設の従業員も運転手や店員役で出演。110番で車の特徴や走り去った方向などを伝える様子を寸劇で演じた。

 1月の放送では、高齢ドライバーの交通事故防止を特集。クボヤマンらが県内で高齢者の死亡事故が多発していることを説明した後、警察署で行っている交通安全講習の内容を紹介した。


番組で高齢者の交通事故防止について解説するクボヤマン(提供:ケービレッジ)


 番組を担当するケービレッジの鶴田早紀さん(36)によると、同署のコーナーの放送時間になると、地域の集会所では高齢者がテレビの前に集まってきたり、子どもたちから「クボヤマンにはどこで会えるの?」と聞かれたりするなど反響があるという。


 今後は署の啓発イベントにも登場する予定で、久保山警部補は「クボヤマンをきっかけに、防犯や飲酒運転撲滅など警察の広報に少しでも関心を持ってもらいたい」と話している。


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