働く人の思いを伝えたい! 九州国立博物館が動画「情熱九博」を制作

動画で紹介されている研究員ら(提供:九州国立博物館)

 九州国立博物館(福岡県太宰府市)が、館内で働く人を紹介する動画「情熱九博」を制作し、公式ウェブサイトで7月から公開しています。動画にはそれぞれ「保存・修復の鬼」「わたし、虫大好きです!!」といったタイトルが付けられ、個性的な研究員らの仕事ぶりや熱意をインタビュー形式で伝えています。


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九博ファンになって

 九州国立博物館は2005年10月にオープンした九州唯一の国立博物館で、平安時代の歴史物語「栄花物語」の写本など国宝4点を含む計約1700点を収蔵しています。カーブした屋根やガラス張りの壁面といった外観も特徴で、2019年度は約83万人が入館しました。高齢者の姿が目立つそうですが、2017年に始めた夜間開館が好評で若いカップルのデートスポットにもなっているとのことです。


カーブした屋根とガラス張りの壁面が特徴的な九州国立博物館

 「情熱九博」は、館内で働く人に光を当てて仕事に対する思いや誇りを紹介し、動画を見た人に九博への興味、愛着を持ってもらおうと企画されました。


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情熱や個性を動画で

 動画は全部で5本。島谷弘幸館長をはじめ、文化財の保存・修復などを行う博物館科学課、教育普及などに取り組む交流課といった各部署の担当者が登場します。

 例えば、大好きな虫の研究をしてきたという博物館科学課の渡辺祐基さん。博物館とは無縁の経歴に思えますが、そんなことはありません。大切な収蔵品が虫食い被害にあう可能性もあり、虫の発生にはとても気をつかいます。館内で1匹でも確認されたら、渡辺さんたちが駆けつけ、どんな種類なのか、ほかにいないかなどを調べるため、ちょっとした騒ぎになるそうです。インタビューでは、自身の仕事を「博物館を底から支えるような存在」と表現し、その誇りが伝わってきます。


 交流課の上野光裕さんは、学校の教員としての経験を生かして教育普及活動を担当しています。動画では、博物館で体験できる楽器についても紹介。博物館での学びを「学校より面白く、教科書より分かりやすい」と説きます。


 動画を見ると、博物館の運営に欠かせない様々な仕事、そこに携わる人たちの熱意を知ることができます。九博を支える人たちに思いをはせながら館内をめぐると、普段とは違う"気づき"があるかもしれません。今後、動画を追加していくことを検討しているそうです。


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企画の担当者に聞いた

 この「情熱九博」を企画したのは、1人の広報課職員です。新型コロナウイルスの影響で休館が続く中、博物館の情報をどのように発信すればよいのか考えたそうです。出した答えは、自身が勤務を始めたときに感じたものを動画で伝えることでした。発案した佐原史哉さんに話を聞き、その"情熱"に触れてきました。


「情熱九博」を企画した広報課の佐原さん

――どんな思いで企画したのですか?

 コロナ禍の中、SNSをうまく使ってPRする公共施設が多く、広報の重要性を従来以上に感じました。ただ、積極的に「来てください」と呼びかけるわけにはいかないので、コロナが収束したあとに来館してもらえるよう、「フレンドリーさ」に重点を置いて企画しました。

――なぜ職員たちに注目したのでしょう?

 私は福岡県庁から異動してきたのですが、その際、一つのことに熱い思いを持って取り組んでいる職員のことを「すごい」と思ったんです。研究員たちは、約3か月間の休館中も文化財の修復や調査に黙々と取り組んでいました。そんな姿を見て、「この機会に、みんなのことを伝えられたら」と考えました。

――今回の動画に期待していることは?

 これまで来ていただいている人には、普段見られない裏方の姿を知って、さらに深いファンになってほしい。そして、来たことがないという人は、この動画を接点にして興味を持ってもらいたいです。「知ってたら行ったのに」という人をすくい上げることが、広報の仕事だと思っています。


時代ごとに資料を見学できる文化交流展示室(提供:九州国立博物館)

――九博に出かけると、どんな良いことがありますか?

 文化財を通して文化や歴史を知れるのはもちろんですが、動画にもあったように、九博では「学校より面白く、教科書より分かりやすい」展示が多いので、勉強に対するハードルが下がると思います。展示だけでなく、特徴的な建物や自然を見たり、館内のベンチに腰かけて普段と違う雰囲気を味わったりするだけでも、リフレッシュできるのではないでしょうか。


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