「赤坂」の地名の由来を調べてみたら・・・意外なところで遺構に遭遇!

今も残るお堀の遺構

 大正末期に堀の大部分は埋め立てられましたが、今も当時の姿を見ることができる場所があります。旧福岡地裁(福岡市中央区城内)の北側、明治通りの歩道に地下へ降りる階段があります。この地下空間は「福岡城跡堀石垣」。土曜と日曜だけ階段の扉が開き、かつての堀の石垣を無料で見学できます。


 自然石を積み上げた「野面積」といわれる石垣は、荒々しく力強さを感じます。石の形がばらばらで隙間や出っ張りがあり、敵に登られやすいという欠点がありますが、排水性に優れ頑丈です。当時の水堀は幅50メートル、深さは堀の中心部で3.5メートル程度だったそうです。矢が飛んでくる中、鎧兜をつけて堀を泳ぎきり、無傷で石垣を登るのは至難の業だったでしょう。 


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 この階段から100メートルほど離れた九州電力赤坂変電所(福岡市中央区赤坂)には「赤坂門跡」の銘板があり、着工前の調査で「福岡城の石垣が江戸時代のままの姿で現れた」と記されています。
 近隣では別の石垣も確認されており、こちらの遺構はいつでも目にすることができます。場所は、福岡市中央区大名の起業支援施設「福岡グロースネクスト」(旧大名小学校)です。南側玄関の両脇に鎮座するベンチの基礎部分に使われているのが、福岡城を守り続けてきた石垣の一部です。



 ベンチに用いられる前は、大名小学校の国旗掲揚台として活躍していました。


提供:福岡市教育委員会


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 地名を探ると面白い歴史や文化に出会える福岡。今回の取材に協力してくれた福岡城市民の会は、イベントやまち歩きツアーを定期的に企画しています。まち歩きに参加して、福岡を「ふかぼり」してみてはいかがでしょうか。


 

歩いてみるといろんな発見があるね。


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