飲食店併設で楽しさプラス!福岡県内で「ミクストラン」が増加中
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記事 INDEX
- 様々な業種への広がり
- 生まれる創作アイデア
- 人がつながる交流拠点
カフェなどの飲食店を併設するスタイルの店が増えている。「ミックス」と「レストラン」を組み合わせた造語で「ミクストラン」と呼ばれ、店の特色に合った客が集まったり、客同士の交流が生まれたりと、様々な利点があるようだ。
様々な業種への広がり
福岡県久留米市には、カフェを併設した生花店「IRISE(イリゼ)」がある。色とりどりの花や観葉植物で飾られた店内でケーキなどが味わえると花好きの客らに好評で、8月上旬に友人と軽食を楽しんでいた同市のパート女性は「花を眺めながらの食事は、癒やしのひとときです」と笑顔で話した。
イリゼは2019年12月、フラワーデザイナーの水落郁子さんがオープンした。季節の花を販売するほか、カフェメニューには食べられる花「エディブルフラワー」を添えるなど、花店らしさにこだわる。グリーンをあしらった「レモンケーキバジルクリーム添え」(1500円)などが人気だ。店ではフラワーデザインのレッスンも開いており、水落さんは「花のある空間でゆっくり過ごして」とほほえむ。
ミクストランは調査研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」(東京)が2019年に生み出した造語。他店との差別化を図りたい店側と、時間を有効に使おうとする客側の双方のニーズから注目され、書店やコインランドリー、銀行、ジムなど様々な業種に広がっている。
生まれる創作アイデア
福岡市中央区の「カフェとリボンのお店 Pita」は2000種類のリボンをそろえる専門店で、21年4月の移転を機にカフェスペースを設けた。季節のパフェ(1100円)など本格的なスイーツを提供している。
店では以前から手芸のワークショップを開催。運営会社「Dua」(福岡市)の小田原みゆ紀社長によると、「たくさんのリボンやビーズなど素材がある環境は創作のアイデアも生まれやすく、作業に集中できる」との思いからカフェを始めた。1時間550円(1ドリンク付き)でハンドメイド用にスペースを開放し、店にあるミシンや工具も使える。
同区の大濠公園そばにある「Shaka 和 cafe」は、美容室「Shaka」に19年に併設された日本茶カフェ。Shaka代表で美容師の宇野清司さんがお茶好きで、日本茶の魅力を広めたいとオープンした。「八女玉露」(600円)、「宇治抹茶」(700円)などを焼き菓子付きで楽しめ、抹茶ビール(700円)もある。
当初は美容室の客が中心だったが、徐々に評判が広がり、観光客が立ち寄ることも増えたという。カフェを担当する美容師の高木里華さんは日本茶検定2級の資格を持ち、「日本茶を満喫し、和やかな時間を過ごして」と呼びかける。
人がつながる交流拠点
福岡県みやま市瀬高の「里沙の店」はレストラン、ブティック、特産品や手作り雑貨の販売、サークル活動を1か所で行う地域の交流拠点だ。
店長の大坪有子さんの母が、約30年前に洋服のセレクトショップとしてオープン。その後、「多くの人が1日中過ごせる場所にしたい」とレストランなども始めた。2階で着物リメイク、生け花などの教室が開かれ、書道に通う筑後市の自営業芳司和代さんは「ここに来ればマルシェや作品展などがあり、交流も楽しい」と話す。
ランチは手作りハンバーグ(1400円)、豆カレー(1300円)などで、大坪さんは「ここは出会いの場。食事を楽しめることで、人と人がより深くつながる」と説明する。
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