この記事のオススメタイトル
記事 INDEX
- 仲間とワイワイ!
- 観光で地域に活気
- 自転車で遠方にも
山や高原など自然の中で地図を頼りに、制限時間内にチェックポイントを回り得点を競うアウトドアスポーツ「ロゲイニング」が、街中を巡る観光イベントのひとつとして福岡県内で広がり始めている。
仲間とワイワイ!
「先に遠いところに行って得点を稼いだほうがいいんじゃない?」「ここでお昼ご飯を食べよう」
9月28日、福岡市中央区の舞鶴公園にある鴻臚館(こうろかん)跡の広場で、地図を広げた参加者たちがチームごとに集まり、話し合っていた。
開かれていたのは、「シティロゲ」というイベント。ロゲイニングの場を市街地(シティー)に移して、観光の要素を加えたものだ。
県内外から、家族や友人、サークルのメンバーなどで作る113チーム330人が参加。ゆっくり街歩きを楽しむ「ウォークの部」と走って高得点を目指す「ランの部」に分かれ、広場から約3キロ内に設けられた60か所のチェックポイントを制限時間4時間で回り、合計得点を競った。
ポイントは、寺社や史跡、モニュメントのほか、ハンバーガーなどの飲食店も。スマートフォンにダウンロードした専用アプリでポイントの写真を撮影すると得点が入る仕組みで、広場から遠いほど得点が高くなる。
父親や友人と歩いた北九州市の中学2年、広渡千紗さん(14)は、福岡市・天神のポイントが密集しているエリアを中心に回ったといい、「みんなで話し合いながら歩けて楽しかった」と声を弾ませた。筑前町から小学2年の娘と参加した公務員、木原大志さん(42)は「普段は行かないような場所にも足を運べた。自分の住む地域でもやってほしい」と話していた。
県外から訪れた人たちも。広島市の公務員、畑下智之さん(42)は、小学3年の長男・威吹君(8)と一緒に「ラン」の部で参加。これまで同市で開かれたシティロゲにウォークで出たことがあったが、威吹君が「もっとポイントを回りたい」と挑戦した。約20キロを走りゴールした畑下さんは「土地鑑がなく心配だったが、きれいな景色など堪能できた。子どもの成長も感じることができて良かった」と笑顔を見せた。
観光で地域に活気
今回のイベント「ゆめタウン・ゆめマートPresents~シティロゲin福岡」を主催した一般社団法人ITADAKI(広島市)は2020年から、コロナ下の街をにぎやかにしようと、中国・関西地方を中心に開催。22年には、スポーツを通じて観光や地域振興に貢献した団体を表彰する「スポーツ振興大賞」を受賞した。
同法人営業推進課の藤本周也課長は「ゲーム感覚で楽しみながら街について学べる。足が速いチームが必ず勝つわけではなく、効率良くポイントを回る地図を読む力も必要で、教育の一環にもなる」と話す。
10月19日に熊本市、11月16日には佐賀県武雄市で開催予定で、参加者を募集している。
長崎市では5月、「ながさきまちぶらロゲイニング 長崎居留地編」が開かれた。大浦天主堂やグラバー園など異国情緒あふれる旧外国人居留地エリアを巡るコースで、観光案内所を運営する団体が初めて行った。
自転車で遠方にも
自転車を使った「サイクルロゲイニング」もある。
9月15日には宗像市の「道の駅むなかた」を発着点に、同市と岡垣町、隣接する福津市を巡るコースで「ROAD ADVENTURE in宗像・岡垣」が開かれた。
10月行われる国際ロードレース「ツール・ド・九州」を前に地域を盛り上げようと、宗像青年会議所と宗像市、岡垣町が初めて企画。約120人が海岸沿いの景色などを楽しみながらペダルをこぎ、宗像大社などのチェックポイントを回った。いけすで魚を釣ってさばくなどの体験ポイントも設けられた。
同会議所の本田武理事長は「自転車だから行ける場所もある。この地域の魅力を発信できたと思う」と話す。
謎解きラリーも
デジタルを活用してまちを回遊してもらう取り組みは、ほかにも行われている。
飯塚市では、「謎解きデジタルスタンプラリー」を10月31日まで実施中。市内を走る周遊バス内と市内の五つの商店街、3か所の商業施設に掲示してあるポスターのQRコードをスマートフォンで読み取って回答すると、抽選で地元特産品の引換券などが当たる。
クイズを解きながら地元の魅力を知ってもらう狙いで、問題は九州工業大のクイズ研究サークルの学生たちが、飯塚にまつわる難問を考えた。
気になる情報やテーマをメールでお寄せください。