この記事のオススメタイトル
記事 INDEX
- スポGOMIで熱いバトル
- 注目を浴びながら活動!
- 回収したごみがアートに
ポイ捨てされるペットボトルなどのごみが社会問題となる中、海岸や人の往来の多い街中でスポーツやレジャーとして楽しみながら取り組める、新しいごみ拾いが福岡県内で広がっている。
スポGOMIで熱いバトル
宗像市の離島・大島にある、世界文化遺産「神宿る島」の構成資産である沖津宮遥拝所近くの海岸。県内4高校の生徒63人が9月下旬、「スポGOMI甲子園2024」というイベントで熱戦を繰り広げた。60分間でチーム(1組3人)ごとに集めたごみの重量や可燃・不燃といった種類によって設定されたポイントの総数で競う“スポーツ”。海外のラベルがついた菓子袋や岩陰に投げ捨てられたペットボトルなどを拾い集めた。
2連覇して12月に東京で開かれる全国大会への切符を手にしたのは宗像高3年のチーム「KKTs」。笠寛人さん(17)は「効率よく集めるには戦略性とチームワークが必要。全国大会でも上位に食い込みたい」と意気込んだ。
また、県は9~10月、県を囲む筑前海・有明海・豊前海に面する3会場でスポGOMIを行い、総勢281人で450キロを超えるごみを回収した。このうち大牟田市の旧三池海水浴場では、県内外の6~61歳の会社員や家族連れら85人が参加した。
スポGOMIを提唱する一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ(東京)によると、競技人口は国内外でのべ16万人。2023年は初のワールドカップが東京都内で開かれ、予選を勝ち抜いた20か国と日本代表が競い合った。
注目を浴びながら活動!
ジョギングや街巡り、コスプレの要素を掛け合わせ、活性化や特産品のPRを目指す取り組みもある。
一般社団法人プロギングジャパン(東京)などは12月7日に福岡市で、ジョギングしながらごみ拾いする催しを行う。2024年1月には、北九州市のJR小倉駅周辺で同様の催しを開催。
伝統織物・小倉織の商品開発に取り組んでいる企業「小倉縞縞(しましま)」(北九州市)が手がけた、漂着ペットボトルなどを原料の一部とした再生ポリエステル製の小倉織ストールを身につけた約120人が参加した。
日本財団と環境省などは6月、福岡市博多区の商業施設キャナルシティ博多の周辺でコスプレイベントを開催。コスプレーヤーら約400人が漫画やアニメの人気キャラクターの衣装をまとい「ごみを拾って、海を守るばい!」の掛け声で街をきれいにした。
SNSで情報発信する際に、清掃してから撮影に臨むコスプレーヤーが多いことや、活動には注目が集まって街が活気づき、見ている人にとってもごみ拾いへの興味や参加する意欲を高めやすいと企画された。
回収したごみがアートに
ごみをアート作品に生まれ変わらせる試みも行われている。北九州市の市民グループ「キッズ2キッズ チェンジ ザ ワールド」などは9月、同市若松区の海岸で回収したペットボトルのふたやビニールひもを作品に仕上げるイベントを開いた。17人が参加。貝殻をイメージした宝箱を作った小学2年の女子児童(8)は「こんなにごみがあるなんて」と驚いていた。
県はスポGOMIの3会場で集めたごみを材料にクリスマス飾りを作るワークショップを福岡市・天神(11月23日午後3時~)、北九州市小倉北区の鴎外橋そば(11月30日午後3時~)で開く。12月25日まで、両会場で作品を展示する。
漂着ごみで創作するアーティストで、ワークショップをプロデュースする柴田みなみさん(34)(福岡市)は「自由な発想で作品づくりを楽しみながら、たくさんのごみが捨てられている現状について考えてほしい」としている。
気になる情報やテーマをメールでお寄せください。