「進化形クロワッサン」が続々と誕生 見た目や味をアレンジ
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記事 INDEX
- 韓国の人気商品を提案
- たこ焼きを包み込んで
- モチモチで伸び~る!
ヨーロッパで生まれ、日本でも愛されているクロワッサン。見た目や味にアレンジを加えた「進化形」が福岡県内で続々と誕生している。
韓国の人気商品を提案
大牟田市のパン店「どんぐりの樹(き)」では、ぺったんこに潰し、砂糖でパリパリにコーティングした「クルンジ」(237円)を販売。クルンジは韓国で若者を中心に人気で、韓国語でおこげを指す「ヌルンジ」とクロワッサンをかけて名付けられている。
商品開発を担当する猿渡志奈さんは、同店に20年勤務し、インスタグラムなどでパンの流行をリサーチ。韓国でクルンジが話題になっていることを知り、「地域のお客さんに新しい物を提供したい」と提案した。
生地を潰し、砂糖をたっぷりつけて鉄板を載せ、オーブンにかける。猿渡さんは「発酵させたきれいな生地を潰すのに最初は胸が痛んだけど、今ではお店の人気商品。歯ごたえを楽しんで」と笑顔を見せた。
10月中旬にオープンした福岡市博多区の、犬を同伴できる「LeChien Cafe(ルシアンカフェ)」でも、フランス生まれとされ、韓国ではやっている「クロッキー」が看板メニューだ。
クロワッサンの上に、プレーンとココア味で作った犬の形のクッキーを載せ、一つ一つ表情を変えている。
事業責任者の野田悠里菜さんは「しっとりしたクッキーとさくさくクロワッサンが重なって新感覚。牛乳につけてもおいしいです」と薦める。アイス付きで700円。
たこ焼きを包み込んで
同市東区の「手造りクロワッサン専門店ラパン」では、粉物が好物という店主の日小田和彦さんが、「たこ焼きクロワッサン」(324円)を発案。店で焼いたたこ焼きをクロワッサン生地で丸く包み、ソースとかつおぶしをかけている。
直径10センチ程度で、「たこ焼きがそのまま大きくなった感じにできた」と日小田さん。元々はパティシエで、2015年に好きだったクロワッサンの専門店をオープンし、毎日20種ほどを焼き上げる。「これからもクロワッサンの概念を覆すようなものを作りたい」と意気込む。
モチモチで伸び~る!
同区・下原のパン店「R Baker」では、モチモチで、引っ張ると伸びる「のびーるクロワッサン」(290円から)が人気。米粉パンを売りにしている全国チェーンで、同区・千早や、北九州市の店舗でも販売する。
店長の古賀守さんは「どこまで伸びるかチャレンジしてみて」と呼びかける。
■パン好き協会の会長に聞く
一般社団法人「パン好き協会」(愛知県)会長の石臥(いしぶし)博代さんに、クロワッサンの流行などについて聞いた。
クロワッサンの味の決め手となるバターは溶けやすいため、気温が落ち着き温度管理がしやすくなる秋以降が「旬」だと思います。消費者も、涼しくなるとコクのある食べ物を食べたくなると思うので、クロワッサンをよりおいしく味わえるのでは。
1990年代に量り売りがブームとなり、日本でもなじみのあるパンになりました。2010年を過ぎると、ドーナツやワッフルと掛け合わせるなどした「ハイブリッド」系が次々と生まれました。
コロナ禍以降、SNSでの発信が盛んになると、クロッキーやクルンジなど目を引くような進化形クロワッサンが増えた印象です。アレンジの自由度が高いので、これからも多様性に富んだ商品が生まれることが期待されます。
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