小倉昭和館、払い戻し開始 常連客「お金は寄付」

 北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場付近で8月10日に発生した大規模火災で焼失した老舗映画館「小倉昭和館」は31日、小倉北区の井筒屋小倉店新館で、イベント前売り券などの払い戻しを始めた。館主の樋口智巳さんは「心配をいただいている皆さんに直接ごあいさつできれば」と話している。


払い戻しに対応する館主の樋口さん(右端)


 払い戻しの対象は、12月まで期限が残っている「シネマパスポート」(7000円)と8月13日に予定されていた落語イベントの前売り券(2500円)。

 この日、会場となる同館9階のパステルホールロビーでは、昭和館の常連客らが次々に訪れ、樋口さんに声を掛けるなどした。シネマパスポートを払い戻した小倉北区の畠中寿さんは、約50年前から昭和館に通っていたと言い、「頑張って、という思いを込めて、払戻金は昭和館に寄付しました。大変だろうけど、応援しています」と話していた。

 払い戻しは9月6日までの午後1~6時に受け付ける。問い合わせは小倉昭和館(093-951-8911)へ。また、会場では、昭和館を支援するシネクラブサポート会が、市に昭和館への援助を求める署名を集めるなどしている。


advertisement

この記事をシェアする