営業運転中の蒸気機関車(SL)では国内で最も古く、来年3月に引退するJR九州の観光列車「SL人吉」を見送るイベントが6月24日、福岡県大牟田市のJR大牟田駅で開かれる。同市のまちづくりグループ「大牟田わかもの会議」が企画し、市内の小中学生600人を無料で招待する。
大牟田市内の小中学生600人を無料招待
SL人吉の蒸気機関車は1922年に製造され、いったん現役を引退した後、熊本県の豊肥線で「あそBOY」として復活。2009年から肥薩線で「SL人吉」として運行を始めたが、20年7月の九州豪雨で同線の一部区間が不通となったため、現在は鹿児島線の熊本―鳥栖間を週末と祝日に走っている。
運行最後の年を迎える直前に異動した大牟田駅の前駅長が「大勢の子どもたちと一緒に見送りたい」と願い、同会議が実現させた。
復興の思い、伝えたい
同会議の有馬辰紀さんは「大牟田と同じく豪雨で大きな被害を受けた人吉地域に向けて、復興の思いを伝えるイベントにしたい」と話している。
24日は、上りが午後0時26分発、下りが同4時19分発のSL人吉を駅のホームで見送る。無料招待の希望者は、同駅などに置いている専用チラシのQRコードから申し込むこと。保護者らは大人170円、子ども80円の入場券が必要。駅東口では飲食の出店が並ぶマルシェなども開かれる。
問い合わせは有馬さん(070-2355-7804)へ。