気軽に「クールシェア」いかが 福岡市が438施設を指定

2024.08.14

 危険な暑さへの備えとして、福岡市は薬局や市民センター、体育館などを涼しく過ごせる施設「クールシェアスポット」として開放している。施設や店舗に用がなくても、一休みして涼む目的で立ち寄ることができ、熱中症を防止するため、気軽に利用することを呼びかけている。

公共施設や店舗で熱中症予防


クールシェアスポットに指定されている「うさぎ薬局」

 福岡市は2012年から、外出時に冷房の利いた施設で過ごすことで、熱中症防止や家庭での省エネ推進を図る「クールシェア」に取り組んでいる。市の公民館や市民センター、体育館のほか、薬局や商業施設など438施設をクールシェアスポットに指定している。

 改正気候変動適応法に基づき、環境省は今年4月から、過去に例がない危険な暑さが予測される場合に発表する「熱中症特別警戒アラート」の運用を開始。同アラートが発表されると、クールシェアスポットのうち、猛暑時の一時避難施設「クーリングシェルター」は開放が義務付けられている。同シェルターは福岡市内には281施設あるという。

 市のクールシェアスポットに指定されている早良区の「うさぎ薬局」では、本来、調剤を待つ客が利用する待合室を開放している。熱中症警戒アラートが発表していなくても、営業時間中であれば誰でも冷房の利いた室内に自由に出入りできる。市から支給された経口補水液も常備しており、最大6人まで受け入れることができるという。

 ただ、これまでクールシェアスポットとして利用されたケースは少なく、代表の小原昂士さんは「薬局に用がなくても、気軽に店内を訪れて一休みしていってほしい」と話す。

無料の給水スポット

 また、外出時の水分補給先として、市は公共施設などに無料の給水スポットを設けている。マイボトルの利用促進のために設置しており、ボトルを持って行けば冷たい水道水を飲むことができる。


博多区役所に設置されている給水スポット

 設置されているのは、各区役所や体育館など23か所。市ごみ減量推進課の江頭英恵課長は「マイボトルを持ち歩いて、こまめに水分補給をしてほしい」と呼びかけている。


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