特別展「妖怪!百鬼夜行」開催中 芦屋町歴史民俗資料館で

2024.08.14

 妖怪をテーマにした特別展「妖怪!百鬼夜行~海にひそむもののけたち~」が、福岡県芦屋町の町歴史民俗資料館で開かれている。現在地に移転・開館して今年10月で20年を迎える記念事業として開催。海辺の町に多く残る伝承を紹介している。9月16日まで。

地元に残る妖怪伝承

 妖怪のコレクションで知られる湯本豪一さんが名誉館長を務める広島県三次市の「湯本豪一記念日本妖怪博物館」(愛称・三次もののけミュージアム)から借りた絵巻や浮世絵などの約30点を含む計約100点を展示している。

 目を引くのが、同ミュージアム所蔵の絵巻に描かれた「ヌリカベ」を基に制作された模型。芦屋町の山田克樹学芸員によると、ヌリカベは民俗学者の柳田国男が記録した伝承で、遠賀郡の海岸を歩いていると、急に行く先が壁になって進めなくなる現象という。


江戸期の画家が描いた「ヌリカベ」を基に制作された模型

 水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する壁のような姿が知られるが、江戸末期の画家・狩野由信による絵巻では三つの目を持つ獅子のように描かれ、同じ妖怪でも異なるイメージで受けとめられたことがわかる。

 また、源平合戦にまつわる伝承も紹介。壇ノ浦の戦いで命を落とした平家方の船団に乗り組んでいたのは、ほとんどが芦屋の山鹿秀遠の指揮下に集まった芦屋の漁民らで、芦屋の海岸にある岩「洞山」で騎馬武者の霊が出るとの言い伝えをイラストパネルで示した。


幽霊船の模型

 芦屋沖は多くの船が沈没したことで知られ、お盆に船を出すと幽霊船に遭遇するなどの伝承も紹介し、幽霊船の精巧な模型を展示。このほか、カッパや鬼、天狗(てんぐ)のコーナーなどもある。

ギャラリートークも開催

 8月17日と9月7日にギャラリートーク(定員各30人で先着順)を開催し、8月は湯本さんを講師に迎える。期間中、中学生以下を対象にクイズラリーも行う。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。中学生以上200円、小学生100円。問い合わせは芦屋町歴史民俗資料館(093-222-2555)へ。


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