海岸に流れ着いた流木を使った作品で知られる福岡県芦屋町の造形作家、田代恒雄さん(83)が新たにガラス絵制作に挑戦し、3月20日から北九州市八幡西区黒崎のカジキ画廊で展覧会を開く。
田代さんは会社勤めを経て30歳になった頃から創作活動を始めた。同町などの海岸で流木を拾い集め、鳥のオブジェなどの作品を制作する活動は30年以上に及んだが、体力が衰え、足も悪くなったことから約3年前にやめた。
代わって始めたのがガラス絵。ガラスの裏側にアクリル絵の具を重ねていき、表側から鑑賞する。特殊な技法が求められるが、大きな流木と違って自宅リビングでも作業ができ、「作っていて楽しかった」とのめり込んだという。
展示するのは、福助、招き猫、大黒天、えびす、お多福など愛嬌(あいきょう)のある縁起物を描いた10~25センチ四方の小品約50点。このうち約20点の額縁は、流木を使ったり、柿渋を17回も塗り重ねたりと丹精込めて手作りした。
2025年で83歳になったことにちなみ、展覧会のタイトルは「縁起物83」とした。「もうやめようかとも思っていたが、これを出発点に今後も創作活動を続けたい」と意欲は衰えない。
3月25日まで。午前10時~午後5時。販売も行う。問い合わせは田代さん(090-4340-8322)へ。