福岡市博多区の冷泉小跡地(約6790平方メートル)について、市は11月26日、活用方針案を明らかにした。災害時に被災者の収容避難所として利用できる施設の整備を優先的に検討するほか、敷地内の国史跡を活用した展示や、博多の歴史・文化を体験できる観光拠点などの機能を持たせる。市は近く市議会に報告して意見を聞き、方針の策定を進める。
歴史・文化を体験 観光拠点の機能も
地元住民と有識者でつくる跡地活用協議会で示した。同協議会の開催は2019年3月以来。
協議会では、地元住民から「小学校の閉校後、地元に避難施設がなくなった。災害時に高齢者が自力で行ける場所がない」など避難施設の整備を強く求める声が相次いだ。有識者からは、平時の利用方法に関する意見や、採算性を見据えた民間活用などについての提案もあった。
冷泉小は1998年に閉校し、2016年に校舎などの解体に着手した。19年に敷地から石積みの遺構が見つかり、11世紀後半~12世紀前半の港湾施設だったことが判明。24年2月、約1000平方メートル部分が国史跡に指定された。市は指定部分を除く跡地の活用について検討してきた。
市跡地計画課は「協議会で出された意見を踏まえ、今後、必要な施設規模など具体的な内容を検討していきたい」としている。
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