「地震被災者の力に」福岡市のトルコ料理店の夫婦が義援金を募る

義援金を入れるかごを持つアルダさん(左)と妻の麻美さん

記事 INDEX

  • 「小さな力を集めれば」
  • 2月26、27日に雑貨市
  • 福岡県内各地に募金箱

 トルコ南部で発生した地震を受けて、福岡市中央区六本松のトルコ料理店「Kafe Toruko(カフェトルコ)」が義援金を募っています。飲食代金の一部も支援に充てるほか、2月26、27日にはトルコ製品の雑貨市を開きます。トルコ人のオーナーシェフ、チュククチュ・アルダさん(34)は「被災した方の力になりたい。ご協力お願いします」と呼びかけています。

「小さな力を集めれば」

 アルダさんはエーゲ海に面したトルコ西部の港湾都市・イズミルの出身。留学先で知り合った麻美(あみ)さん(33)と2018年に結婚し、「トルコの文化を日本に伝えたい」と19年に店を出しました。店ではヨーグルトチキンソテーや、ラムと牛挽き肉を使った家庭料理などのほか、トルコの伝統的なコーヒーも提供しています。


トルコランプなどが飾られている店内

 店内はモザイク模様が特徴の「トルコランプ」などの調度品が飾られ、異国情緒が漂います。ランチやディナーには、男女を問わず幅広い年代が訪れるといいます。

 夫婦が地震の一報を知ったのは、ニュースを見た常連客からでした。スマートフォンで調べたアルダさんが目にしたのは、ほとんどの建物が倒壊した空撮映像。がれきのそばで立ち尽くす人や泣き崩れる人が映し出され、「こんな状況では…」と言葉を失いました。


「自分にできることをしたい」と話すアルダさん。手前には被災地域で作られた雑貨が並ぶ

 アルダさんの親族は無事でした。夫婦はトルコのために「小さな力でも、集まれば大きな力になる」と、まずSNSや店頭での募金に取りかかりました。店の売り上げの一部も合わせて、現地で活動するNGO団体に義援金を渡すことにしています。


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2月26、27日に雑貨市

 店では2月26日の17時30分~20時、27日の11時~17時、約100点のトルコ製品を並べた雑貨市を開きます。こちらも売り上げの一部を支援に拠出するそうです。


トルコ南部で作られたキーホルダーやお守りなどの小物

 トルコは、銅製の食器類、アクセサリーやガラス細工などの手作り小物で知られます。夫婦の店でもこれまで、製品の紹介を兼ねて定期的に雑貨市を開いてきました。


銅製のトルココーヒーのカップと鍋

 雑貨市では、女性のスカーフなどに施すトルコの伝統手芸「オヤ」のキーホルダーや、トルココーヒー鍋とカップのセットなどを販売する予定です。

 地震で大きな被害を受けた地域は、美食の街で、職人が多く暮らす場所でもあるそうです。夫婦でよく買い付けに訪れた麻美さんは「思い入れのある街」と話します。


店内に置かれたトルコランプと支援を呼びかけるメッセージ

 店には、SNSで募金のことを知って寄付をしにやって来る人もいます。「日本から遠い国なのに、つらさを理解してくれる人たちがいる」とアルダさん。「トルコのために、何かしようとしてくれる人がいてありがたい」と感謝しています。

福岡県内各地に募金箱

 福岡県内では、地震の被害を受けたトルコとシリアを支援する動きが広がっています。福岡市が8日に市役所本庁舎(中央区)と各区役所、出張所に募金箱を設置。県は10日から県内6か所で募金を受け付け、北九州市も13日に市内9か所で始めました。日本赤十字社やユニセフなどでも救援金や寄付を受け付けています。

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