個性派カフェが福岡市・天神に集結! こだわりの一杯を提供

九州初出店の「イノダコーヒ」(岩田屋本店で)

記事 INDEX

  • 京都の老舗が進出
  • ワンビルに10店!
  • 海外のチェーンも

 福岡市・天神で、特色あるカフェチェーンの出店が相次いでいる。京都発祥の老舗コーヒー店が九州に初進出したほか、開業したばかりの大型再開発ビルでは地元と全国資本の店舗が共存しており、こだわりの詰まった一杯を提供している。

京都の老舗が進出

 百貨店「岩田屋本店」の本館地下2階を訪れると、コーヒーの豊かな香りが漂ってくる。4月29日にオープンした京都発祥の「イノダコーヒ」で、砂糖とミルクがあらかじめ入った状態が基本の「アラビアの真珠」(税込み750円)が看板メニューだ。

 イノダは1940年に創業し、京都市内に6店と東京、神奈川、広島に各1店ある。福岡の店舗は業務提携しているキーコーヒー(東京)が運営し、京都本店のようなレトロな内装が特徴だ。イノダの前田利宜社長は「天神は活気があり、ポテンシャル(潜在力)が高い。成功させたい」と力を込める。

ワンビルに10店!

 同じ天神地区で4月24日に開業した大型複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」では、計10店のカフェが独自色を打ち出している。


 2階の「カフェキツネ」は、若者に人気のファッションブランド「メゾンキツネ」が手がける九州初の店舗で、地下2階に入った全国チェーンの「タリーズコーヒー」は、ワンビルを開発した西日本鉄道と協力し、廃材となった路線バスのつり革などを内装に活用した。


眺望が良いワンビルの6階に出店したレックコーヒー


 福岡発祥の「レックコーヒー」は、6階のオフィスフロア入り口という特性を踏まえ、メニューで工夫した。自社焙煎(ばいせん)の豆で時間をかけてドリップするのが持ち味だが、オフィス利用者が仕事の合間などに立ち寄る場合を想定し、短時間で提供できる「クイックブリューコーヒー」(540円から)を加えた。

海外のチェーンも

 若者や訪日客が集まる福岡市には元々、根強いコーヒー文化があるとされる。さらに近年では、都市のさらなる成長性を見込んで福岡を新たな進出先に選ぶ海外チェーンもある。

 米国発の「ブルーボトルコーヒー」は24年2月、警固神社境内に九州1号店を開業した。東京・青山と福岡の店舗で今年4月に発売した期間限定のラテ(819円)には注文が相次ぎ、一時は販売休止となった。



 コーヒーの知識が深い「バリスタ」としての腕を競う国内大会で2連覇し、世界大会でも準優勝した経歴を持つレックの岩瀬由和社長は「様々なカフェがあることでコーヒー文化が育まれ、コーヒーに興味を持つきっかけが生まれる。まだまだ生活の中にコーヒーを組み込めるはずで、業界全体で文化を醸成させていきたい」と話している。


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