手話を交えた体の動きや表情で歌詞や曲の世界を表現する「手歌」を使って、ベートーベンの交響曲第9番・合唱付き(第九)を披露する演奏会が12月7日、福岡市民ホールで開催される。名曲への挑戦に、参加者は「障害を超えてすべての人が、感じてつながる新しい歓喜の歌を」と意気込む。
福岡市民ホールで12月7日
手歌は、よりはっきりと表現を見せるため、白い手袋をつけることもあり、「ホワイトハンドコーラス」とも呼ばれる。南米のベネズエラで始まり、日本では、ベネズエラ出身のソプラノ歌手・コロンえりかさんらが合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」を設立し、国内外で活動・公演している。
演奏会は、障害の有無にかかわらず芸術に親しんでほしいと、福岡市文化芸術振興財団が初めて企画。九州交響楽団と九響合唱団などが演奏・共演する。公募した県内の10~60歳代の約30人が10月末から練習を重ねてきた。
練習では、コロンさんが「自分の家族や友達など大事な人を思い浮かべて」と手歌の動きと合わせた感情表現を指導した。ろう者の福岡市東区、会社員鈴木玲雄さんは小学生の娘と参加。「本当に豊かな表現で驚いた。音楽は遠い世界だと思っていたので、本番がとても楽しみだ」と話した。
コロンさんは「ベートーベンはたくさんの人が音楽の喜びを感じられるように、壁を破って新しいものを創った方。その精神を受け継ぎ、たくさんの人に音楽の本質的な喜びを伝えられたら」と語った。
演奏会は7日午後1時半開演。チケットは全席指定で、前売り券は一般S席4000円、一般A席3500円など。問い合わせは福岡市文化芸術振興財団(092-263-6265))へ。







