江戸時代に九州各地をつなぐ街道の要所だった常盤橋(北九州市小倉北区)の撤去工事が本格化している。4月13日にはクレーンで橋桁の取り外しが始まり、6月末にはコンクリートの橋脚基礎部分を残して撤去が完了する。市は橋の架け替えを軸に今後の対応を検討している。
架け替えを軸に検討
市中心部の京町と室町の間を流れる紫川に架かる。長崎街道、中津街道、秋月街道、唐津街道、門司往還の「小倉の五街道」全てにつながり、参勤交代の諸大名が通った歴史と風情を今に伝える橋だ。1826年には長崎出島のオランダ商館医だったシーボルトも、江戸参府のため渡ったとの記録が残る。
現在の橋は、江戸時代風の木橋の名残を残しながら、1995年に歩行者専用橋として整備されたもの。橋桁には、コンクリート並の強度を持つ西アフリカ産の木材ボンゴシを用いた。
ただ、この木の腐食が年々進行。橋桁の沈下幅が過去最大を記録するなどして、2024年9月には通行止め措置となる。その後、落橋の恐れがあるとして市が撤去を決定し、26年1月から工事が行われてきた。
4月13日には大型クレーンが橋桁をつり上げて、橋を取り外す作業が始まった。
撤去後の方向性については、学識者や自治会などで構成する「あり方検討会」が協議している。そのメンバーや地元の九州工業大、西日本工業大の学生計約30人が撤去の様子を見学。職員が橋桁に棒を刺し、腐食の具合を説明するなどし、参加者は興味深そうに間近で見入っていた。
検討会の座長を務める北九州市立大の内田晃副学長は、橋脚基礎部分を新たな橋で再利用できる可能性があると指摘。西日本工業大デザイン学部3年の中江一成さん(20)は「寂しさもあるが、歴史の節目に立ち会っているような気持ちだ」と話していた。







